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ホワイトペーパー

Wi-Fi トラブルシューティング:接続問題

はじめに

IT 担当者は皆、「Wi-Fi がおかしい」という恐怖の苦情に悩まされた経験があることでしょう。オフィスで穏やかに仕事をしているところ、突然誰かやって来て、無線ネットワークに接続できない、無線ネットワークが遅い、無線ネットワークへの接続がいつも切れる、インターネットに接続できないなどといった苦情が始まります。これらの苦情はよく聞かれるものであり、非常に悩ましいことです。なぜなら無線ネットワークの問題の根本原因を突き止めるには、時間がとてもかかり、いささか難しいためです。でも、本当にそうなんでしょうか?これらのよくある無線問題を解決するのが、それほど難しくない可能性はありませんか?そうなのです。実際はそれほど難しくないのです。適切なツールと少しの知識があれば、最も一般的な無線ネットワークの問題の根本原因を簡単かつ素早く突き止めることができます。

今回の Wi-Fi トラブルシューティングに関するホワイトペーパーの第一弾では、「接続問題」、より正確に言えば、特定のウェブサイトや IP アドレスに接続できない問題と区別するため、Wi-Fi ネットワークの接続問題を迅速かつ効果的にトラブルシューティングする方法に焦点を合わせます。ほとんどのユーザーはこの違いを知らないため、「無線がおかしい。インターネットに接続できない」などといった苦情を言うことになります。

したがって、このペーパーでは、まず最初に Wi-Fi に接続できない問題とネットワーク・リソースにアクセスできない問題を切り分ける方法をご紹介します。その次に、Wi-Fi ネットワークの接続問題の最も一般的な原因を特定する方法を説明し、それら問題を解決するおすすめの方法をお教えします。

では、はじめましょう!

問題の特定

Wi-Fi 接続問題のトラブルシューティングを始める前に、問題が本当に Wi-Fi 関連であることを確かめる必要があります。このペーパーの序文で述べた通り、ほとんどのユーザーは、Wi-Fi 関連の問題、DHCP サーバーの問題、あるいは DNS の問題の違いを知りません。ユーザーが知っていることは、ネットワークに接続できないということだけです。したがって、トラブルシューティングの最初のステップでは、問題を再現し、それが Wi-Fi ネットワークに起因しているのかを確認します。

接続問題を再現するのは比較的簡単で、いくつかの方法があります。

1. 

ネットワークに接続できないという苦情を言っている人に、実際にその問題を見せてもらうか、受け取ったエラー・メッセージを見せてもらいます。この方法は、問題の根本原因についての情報をあまり提供しないかもしれませんが、問題が本当に存在することを確かめることができます。また、ユーザーのデバイスが本当に Wi-Fi ネットワークに接続できないのであれば、手元に問題のデバイスがあることで、デバイスの設定問題やユーザーのミスを特定することできます。何と言っても、ネットワーク接続問題の最も一般的な原因は、ネットワークではなく、ユーザーのミスや簡単な Wi-Fi ネットワークの設定問題にあるのです。
 

A.

最も一般的なユーザーのミスは、次の通りです。
 

i.  

間違ったネットワークに接続しようとしている – これは忙しい環境ではよく起きることです。ユーザーが誤って間違った SSID を入力したり、デバイスを接続するのに遠すぎる既知のホットスポットに自動接続しようと試みているのかもしれません。
 

ii.

間違ったセキュリティ認証情報を入力している – 入力ミスは起きるもので、この種の問題の主な原因でもあります。
 

iii.

許可されていないデバイスを使用してネットワークに接続しようとしている – ネットワークにアクセスするのに必要な証明書がない、あるいは特定の MAC アドレスを持つデバイスしかネットワークに接続できないというのは、よくあることです。
 

iv.

古いデバイスを使用している – デバイスが 5.0GHz 帯または拡張チャネルをサポートしていない場合、特定の SSID に接続できないことがあります。
 

B.

最も一般的な Wi-Fi ネットワークの設定問題として、次が挙げられます。
 

i.  

SSID – 接続したい SSID が表示されない場合、SSID が間違って非表示になるように設定されているかもしれません。また、受信範囲が十分ではないか、アクセス・ポイントが送信できないなど、Wi-Fi ネットワークに問題がある可能性もあります。これは、別のデバイスを使用して接続したい SSID を探すことで簡単に検証できます。ただし、2 つめのデバイスが問題が起きている場所と物理的に同じ場所になければなりません。
 

ii.

無効な IP アドレス – すべてではありませんが、デバイスによってはこの種の情報を提供してくれることがあります。この場合、デバイスが Wi-Fi ネットワークに正常に接続し、認証できているが、IP アドレスを取得できていないことが分かります。この種の問題は、通常 DHCP サーバーの設定に問題の根本原因があります(例えば、十分な IP アドレスがないなど)。ただし、Wi-Fi ネットワークへの接続が不安定な時も、同じような問題が起きます。この場合、IP アドレス情報が破損し、ユーザーのデバイスに届きません。
 

iii.

無効な DNS アドレス – デバイスが正常に Wi-Fi ネットワークに接続したが、インターネットに接続できない場合は、DNS サーバーの設定問題が考えられます。または、インターネットのサービス・プロバイダーに問題があるのかもしれません。

画像 1:Android デバイスでの一般的な Wi-Fi 接続エラーの例1.

2.

Wi-Fi ネットワークへの接続に問題があるかどうか確認する他の方法として、別のデバイスを使用してネットワークへの接続を試みる方法があります。この場合、影響を受けている人のデバイスを使用して、Wi-Fi ネットワークへの接続に問題があるか確認できます。あるいは、専用の Wi-Fi テスト・ツールを使用して、完全な「接続テスト」を行えます。接続性を検証できるだけでなく、問題の根本原因に近づくのに役立つ詳細情報も提供されます。例えば、専用テスト・ツールが提供できる有益な情報として、以下などがあります。
 

a.

接続ステータスおよび時間 – これは、アクセス・ポイントに接続できるかどうか、また接続するのにどのくらいの時間がかかったか確認するのに役立ちます。この段階では、本当に Wi-Fi ネットワークの接続問題であるかどうかが分かります。通常は、受信範囲の問題や干渉、低い SNR などが原因です。
 

b.

認証ステータスおよび時間 – これは、正常に認証できたかどうか、また認証するのにどのくらいの時間がかかったか確認するのに役立ちます。この段階の問題は、間違ったパスフレーズが使われた可能性があります。また、WPA2-E が使われている場合、間違った証明書が使われているかもしれません。認証にかかる時間が長ければ、認証サーバーの問題も考えられますし、不安定な Wi-Fi 接続が原因かもしれません。
 

c.

ゲートウェイ・ステータスおよび応答時間 – これは、デバイスがゲートウェイと通信できているかどうか、また通信にどのくらいの時間がかかっているか確認するのに役立ちます。
 

d.

DHCP ステータスおよび応答時間 – これは、デバイスが IP アドレスを取得できているかどうか、またどのくらい速く取得できているかが分かります。この段階では、DHCP サーバーの問題か、Wi-Fi ネットワークの安定性の問題を指し示しています。
 

e.

DNS ステータスおよび応答時間 – これは、デバイスが DNS サーバーと通信できているかどうか、また通信にどのくらいの時間がかかっているかを示します。この段階では、Wi-Fi ネットワークに正常に接続できるが、DNS サーバーが原因で URL を使用してインターネットにアクセスできないことが分かります。
 

f.

ターゲット発見 – テスト・デバイスによっては、特定のターゲットへの接続を検証できます。この際に、URL または IP アドレスを使用できます。これは、よく使われるローカル・リソースやインターネットへの接続性を確認するのに使えます。
 

g.

接続の PHY データレート – 接続テスト中に測定された PHY データレートを確認できます。低いデータレートは、Wi-Fi ネットワークの問題を指し示している可能性があり、また古いクライアント・デバイスやアクセス・ポイントの設定問題があるのかもしれません。
 

h.

再試行率 – これは通常、送信されたフレームのうち、再送信されたフレームのパーセンテージを教えてくれます。再試行率が 20% より高ければ、Wi-Fi ネットワークに問題があることを意味します。

画像 2:NETSCOUT Aircheck G2 での接続テストの結果例。

根本原因の特定

ユーザーによって報告される接続問題の原因が Wi-Fi ネットワークにあることを証明したら、次は根本原因を突き止めます。Wi-Fi 接続問題の最も一般的な原因は、次の通りです。

  • 信号の受信範囲
  • 信号対雑音比(SNR)
  • レガシー 802.11 デバイス
  • セキュリティ
  • 容量
  • 有線問題

信号の受信範囲

Wi-Fi 接続問題の最も一般的な原因の一つが、不良な信号受信範囲です。Wi-Fi デバイスがお互いに聞こえなければ、通信することはできません。問題は、Wi-Fi 信号の伝播に影響を与え、受信範囲の問題を引き起こす要素は、次のように環境内に多様にあることです。

  • 消失(自由空間) – 電波の自然的な広まりによって生じる信号強度の消失。信号が遠くへ伝播されるほど、信号の強度が減衰します。
  • 反射 – 電波が電波自体より大きい滑らか物体にぶつかると、媒体によっては、電波が別の方向に跳ね返る可能性があります。反射は、信号強度の低下やパケット・エラーを生じさせるマルチパスと呼ばれる効果を生み出すため、802.11a/b/g/n ネットワークのパフォーマンス不良の主な原因です。
  • 屈折 –密度の異なる媒体を透過することで RF 信号が屈折し、電波の方向を変えてしまう現象です。これは、大気条件(水蒸気、気温の変化、気圧の変化)により、屋外で最もよく起きます。信号は、特定の種類のガラスやその他の材質を通過する際にも屈折することがあります。
  • 回折 – RF 信号が物体を回り込む現象です。通常は、小さな丘や建物などの障害物が原因で、RF 信号が部分的に妨害されるために生じます。
  • 散乱 – 信号の波長が、信号を反射または透過する媒体の波長よりも大きいと、複数の反射を生じさせます。これは、金網のフェンス、スタッコ壁内の金網、岩の多い地形など、でこぼこの表面に信号がぶつかった時に発生するもので、信号が複数の方向に反射して分散してしまうため、信号強度の劣化につながります。
  • 吸収 – 信号が物体を反射、物体を回り込む、または物体を透過しない場合、信号が 100% 吸収されたことを意味します。ほとんどの材質は、多かれ少なかれ RF 信号を吸収し、信号強度を低下させます。その中でも、最も信号を吸収するのがれんがやコンクリートの壁、そして水です。

画像 3:RF 信号の伝播例

また、ほとんどの人の考えとは異なり、アクセス・ポイントの信号受信範囲が、心配しなければならない唯一のことではありません。クライアント・デバイスの信号受信範囲も考慮しなければなりません。なぜなら、アクセス・ポイントがクライアント・デバイスからの応答が聞こえなければ、通信が失敗するからです。

  • アクセス・ポイントの受信範囲 – クライアント・デバイスから見るアクセス・ポイントの信号強度。クライアント・デバイスがアクセス・ポイントから送信されるメッセージを確実に聞こえるようにするには、強い信号が必要です。
  • クライアント・デバイスの受信範囲 – アクセス・ポイントから見るアクセス・ポイントの信号強度。アクセス・ポイントがクライアント・デバイスから送信される応答を確実に聞こえるようにするには、強い信号が必要です。

受信範囲の問題を特定するには、次の簡単な方法しかありません。

  1. 問題の場所のトラブルシューティング – 既知の問題の場所で受信範囲の問題をトラブルシューティングするのは、非常に簡単です。必要なのは、アクセス・ポイントとクライアントの両方の信号強度を測定できるツールだけです。問題の場所でアクセス・ポイントの信号強度を検証することで、すべてのクライアント・デバイスがネットワークが見れているかどうかを確認できます。一方で、クライアント・デバイスの信号強度をアクセス・ポイントの視点から検証することで、通信ができているかどうかを確認できます。クライアント・デバイスの受信範囲問題の一般的な原因は、出力レベルが非常に高く設定されているアクセス・ポイントです。アクセス・ポイントの受信範囲が大きすぎると、受信範囲の縁に位置し、Wi-Fi 送信出力が弱いクライアント・デバイスは、アクセス・ポイントと通信できずに、接続が失敗することになります。
  2. サイト調査 –非常に人気のあるもう一つの選択肢は、一つの場所だけでなく、サイト全体を調査する方法です。サイト調査を実施することで、Wi-Fi ネットワークのパフォーマンスをグラフやヒートマップで表せます。サイト調査を行えるツールは複数存在します。ツールによっては、受信範囲や Wi-Fi 干渉に対する基本的な可視性を提供するものもあります。より高度なツールでは、受信範囲、ノイズ・レベル、SNR、データレート、再試行率、Wi-Fi 干渉、Wi-Fi 以外の干渉などに対する可視性が提供されます。新しい Wi-Fi ネットワークを構築した後、また数か月ごとにサイト調査を実施することが強く推奨されます。これにより、Wi-Fi ネットワークが意図した通りに動作していることを確認でき、今後問題を引き起こす可能性がある変化も発見することができます。

受信範囲の問題は、通常、アクセス・ポイントの数を増やすか、より高い利得のアンテナを使用するか、アクセス・ポイントの送信出力を増やすことで解決されます。ただし、出力を増やすとノイズ・レベルを増えるため、通常はより良いアンテナを使用するか、アクセス・ポイントを増やすことが推奨されます。

画像 4:NETSCOUT AirMagnet サーベイ Pro で収集された信号強度のヒートマップ例。

信号対雑音比(SNR)

画像 5:SNR グラフの例。

接続の品質と速度は、受信側のデバイス(アクセス・ポイントとクライアントの両方を含む)が検出する信号対雑音比(SNR)によって直接影響を受けます。前のセクションで説明したように、信号強度の減衰や消失は、簡単に起こりえます。信号レベルが低下すると SNR も低下し、その結果、伝送速度も低下します。例えば、アクセス・ポイントから「離れすぎた」デバイスは、接続先のネットワークを見ることができても、SNR が低すぎると、送受信の品質が悪くなり、正常に接続することはできません(「弱いが十分に強い」信号は、一時は強くても、次の瞬間に弱くなりすぎてしまう可能性があります)。

SNR に影響する他の要因としては、ノイズ・フロアがあります。これは、特定チャネル上の周辺やバックグラウンドの電波エネルギーとして定義できます。このバックグラウンド・エネルギーには、近くの 802.11 送信電波からの変調または符号化されたビットや、電子レンジ、Bluetooth デバイス、コードレス電話などの非 802.11 デバイスからの変調されていないエネルギーが含まれます。ノイズ・レベルが高いほど、SNR が低くなります。

最悪のシナリオは、信号が弱く、ノイズ・レベルが高いケースです。これは、致命的な組み合わせで、SNR を大幅に低下させ、パフォーマンスや接続性の問題を引き起こします。それでも、SNR の問題を特定することは、非常に簡単です。必要なのは、信号強度とノイズの両方を測定できるツールだけです。これまでのほとんどの Wi-Fi アダプターは、ノイズ・レベルを測定できましたが、現在はかなり数が減りました。そのため、この情報を提供する専用のトラブルシューティング・ツールが必要になる場合があります。これを行える Wi-Fi トラブルシューティング・ツールまたはサーベイ・ツールはたくさんあります。

低 SNR に起因する接続性問題の解決方法としては、以下があります。

  1. Wi-Fi ネットワークの受信範囲を向上し、信号強度がノイズ・フロアよりも最低 20 dBm 高くなるようにします(ボイス・オーバー Wi-Fi の場合は、30 dBm 高い信号強度が必要です)。
  2. Wi-Fi トラフィックが少ないチャネルを使用して、環境内のノイズ・フロアを低下させます。また、使用している Wi-Fi チャネルのノイズ・フロアを高める要因となる非 Wi-Fi デバイスを撤去します。ノイズを生み出す非 Wi-Fi デバイスを移動または無効にできない場合は、ノイズ・フロアが高いチャネルを使用しないようにアクセス・ポイントを再設定する必要があります。

画像 6:NETSCOUT Aircheck G2 で収集された信号レベル、ノイズ・レベル、SNR 測定値の例。

レガシー 802.11 デバイス

旧世代の Wi-Fi デバイスはまだ使われています。今日の高いデータレートをサポートしていないため、Wi-Fi ネットワークに接続しても、低いデータレートでしか通信できません。また、ユーザーは知らずに高いデータレートをサポートしないレガシー・デバイスを使用している可能性があります。古いレガシー・レート、とりわけ 802.11b は、貴重な電波を浪費しないように、アクセス・ポイントでブロックされていることがあります。これら古いデータレートしかサポートしないデバイスは、ネットワークに接続できなくなります。

古いデバイスのもう一つの問題は、5.0 GHz 帯をサポートしていないことです。企業ネットワークの多くは、利用できるチャネルが多く、干渉が少ない 5.0 GHz 帯のみをサポートする無線ネットワークに移行しており、レガシーな 802.11 デバイスが企業 Wi-Fi ネットワークに接続できなくなります。また、5.0 GHz 帯をサポートする古いクライアント・デバイスは一部あるものの、この帯域上のすべてのチャネルをサポートしているわけではありません。例えば、旧世代のデバイスの多くは DFS チャネル(レーダーと周波数を共有)をサポートしていないため、ネットワークに接続できません。

これら制限を特定する最も簡単な方法は、クライアント・デバイスの能力を検出できるツールの使用です。ツールに検出してもらいたいクライアント・デバイスの情報として、次が挙げられます。

  • SSID – クライアント・デバイスが接続しているネットワークを確認できます。ただし、デバイスがネットワークに接続している場合のみ利用できます。クライアント・デバイスが正しいネットワークに接続しているかどうか確認するのに使用できます。
  • アクセス・ポイント名 – クライアント・デバイスが接続しているアクセス・ポイントを確認できます。クライアント・デバイスが最も近いアクセス・ポイントに接続していることを確認するのに非常に役立ちます。
  • 接続速度 – クライアント・デバイスが使用する接続データレートを示します。これは、クライアント・デバイスがサポートする最大データレートを確認するのに役立ち、データレートの制限により、Wi-Fi ネットワークへの接続が妨げられているかどうかを確認できます。
  • セキュリティ – クライアント・デバイスが使用するセキュリティの種類に関する情報を提供します。これで、クライアント・デバイスのセキュリティ設定を確認できます。
  • 802.11 の種類 – クライアント・デバイスがサポートする 802.11 テクノロジーの種類に関する情報を提供します。これは、クライアント・デバイスが最新の 802.11 テクノロジーとより高いデータレートをサポートしているかどうかを確認するのに役立ちます。
  • 周波数帯 – クライアント・デバイスが使用する周波数帯に関する情報を提供します。これにより、クライアント・デバイスが 2.4 GHz 帯と 5.0 GHz 帯の両方をサポートしているかどうかを確認できます。
  • チャネル – クライアント・デバイスが使用するチャネルに関する情報を提供します。一部の古いクライアント・デバイスは、5.0 GHz 帯のすべてのチャネルをサポートしていません。

この種の問題の唯一の解決策は、ユーザーに最新の 802.11 テクノロジーをサポートするデバイスにアップグレードしてもらうか、アクセス・ポイントがより古いテクノロジーをサポートするように設定を変更するかのどちらかです。アクセス・ポイントに古い 802.11 テクノロジーのサポートを追加すると、より新しいクライアント・デバイスのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があるため、クライアント・デバイスのアップグレードが望ましい方法です。

画像 7:NETSCOUT AirMagnet WiFi アナライザー Pro を使用して収集したクライアント・デバイス情報の例。

セキュリティ

セキュリティは望ましいことですが、アクセス・ポイントやクライアントでセキュリティを管理するのは容易なことではありません。どんなパスワードの不一致、証明書の抜け落ち、または間違いも、デバイスを接続できなくさせる可能性があります。

また、一部のネットワークでは、特定の MAC アドレスのみ接続および認証できるようにしており、もし許可リストにクライアント・デバイスの MAC アドレスが含まれていなければ、接続することはできません。

接続を確立するには、アクセス・ポイントとクライアント・デバイスのどちらも適切なセキュリティ認証情報を持っている必要があり、どちらか一方にこれら認証情報の設定ミスがあれば、許可されたユーザーが認証できなくなります。

セキュリティ設定のミスによる接続問題を特定するにあたっては、以下のヒントが役立ちます。

  1. ネットワークで WPA-P または WPA2-P を使用している場合、まず第一に正しいパスフレーズが使われていることを確認します。
  2. ネットワークで WPA-E または WPA2-E を使用している場合、正しい認証情報が使用されていること、またクライアント・デバイスに必要な証明書がインストールされていることを確認します。
  3. ネットワークへのアクセスを許可されている MAC アドレスを持つデバイスのみに制限している場合、クライアント・デバイスの MAC アドレスが許可リストに含まれていることを確認します。
  4. WPA-E または WPA2-E を使用しており、複数のデバイスで同じ問題が発生している場合、認証サーバーがアクセス可能になっていることを確認します。

セキュリティ設定の問題を特定したら、後はクライアント・デバイス、無線ネットワーク、または認証サーバーの設定を修正するだけです。

画像 8:MAC OS デバイスでのセキュリティ設定の例。

容量

容量問題は、同じ場所で送受信しているクライアント・デバイスが多すぎる、あるいは過剰なトラフィックを発生させているクライアント・デバイス(帯域幅の独り占め)が 1 台以上存在する場合に起きます。また、次のような場合も容量問題が発生します。

  1. 過剰な同一チャネル干渉 – 同じチャネルを使用しているデバイスが多すぎる。例えば、同じエリアに同じチャネルを使用するアクセス・ポイントが 5 つ以上存在することは推奨されません。
  2. アクセス・ポイントの不足 – クライアント・デバイスの数に比べ、アクセス・ポイントが少すぎる。1 つのアクセス・ポイントに 25 台を超えるクライアント・デバイスが同時に接続することは推奨されません。
  3. クライアント負荷の不均衡 – エリア内のすべてのアクセス・ポイントで負荷分散するのではなく、ほとんどのクライアント・デバイスが同じアクセス・ポイントに接続している。
  4. Wi-Fi 以外の干渉 – Wi-Fi を使用しないのに、同じ周波数で RF 信号を生成するデバイスは、チャネル使用率を増加させ、チャネル容量を低下させます。

これらはすべて、単一チャネル上の過剰なクライアント通信を発生させ、チャネルの過負荷につながります。また、チャネルの負荷を考える時、チャネルに接続されているクライアント数だけでなく、それぞれのデバイスが生成するトラフィック量が重要になります。少ないクライアント数でも、サイズの大きいファイルを送信したり、高画質動画をストリーミングするだけで、チャネルが過負荷になります。

では、チャネルが過負荷状態になっているかどうか、どのように知ることができるのでしょうか?それは、チャネル使用率、つまりチャネルが使用されているパーセンテージを測定することで分かります。専用の Wi-Fi トラブルシューティング・ツールやアプリの多くが、この情報を提供してくれます。ただし、そのほとんどは、Wi-Fi 使用率に対する可視性だけを提供しているため、使用している Wi-Fi チャネルがどのくらい混雜しているのか把握するのに、情報が十分ではない可能性があります。したがって、使用率を正確に測定する最善の方法は、Wi-Fi と Wi-Fi 以外の使用率の両方に対する可視性を提供する専用の Wi-Fi トラブルシューティング・ツールを使用することです。

画像 9:NETSCOUT スペクトラム XT での Wi-Fi と 非 Wi-Fi 使用率を比較するチャネル負荷サイクル図の例。

容量問題を解決するにあたっては、以下のヒントが役立ちます。

  1. アクセス・ポイント・コントローラーを使用して、クライアント・デバイスごとに使える帯域幅の量を制限します。これにより、クライアント・デバイスがネットワーク・パフォーマンスに影響を与える過剰なトラフィック量を生成するのを防げます。
  2. アクセス・ポイント・コントローラーにチャンネルの自動調整を行わせ、チャンネル干渉を最小限に抑えます。ご使用のコントローラーでこのオプションが無い場合、信号がオーバーラップする複数のアクセス・ポイントが、同じチャネルを使用しないように、手動でアクセス・ポイントのチャネル調整を行う必要があります。
  3. 使用できるチャネルがより多い 5.0 GHz 帯に、できる限り多くのデバイスを移行します。これは、アクセス・ポイント・コントローラーのバンド・ステアリング機能を有効にすることで行なえます。この機能を有効にすると、コントローラーはクライアント・デバイスを 5.0 GHz 帯に移行し、2.4 GHz 帯をレガシー・デバイス用として残します。
  4. Wi-Fi ネットワークの計画を行う際には、最大ユーザー数をサポートするのに十分なアクセス・ポイントを設置します。また、多くのアクセス・ポイントが、100 クライアントの同時接続数をサポートできるものの、アクセス・ポイントあたり 25 または 30 クライアントの同時接続に制限することが推奨されます。同時クライアント数は、利用できる帯域幅と各ユーザーに割り当てる予定の帯域幅に依存します。
  5. アクセス・ポイント・コントローラーの「ロード・バランシング」機能を必ず有効にします。これにより、クライアント・デバイスの負荷がアクセス・ポイント間で分散されるようになり、ほとんどのクライアントが同じアクセス・ポイントに接続するような状態を防ぐことができます。
  6. スペクトラム・アナライザーを使用して、Wi-Fi 以外の干渉源を検出・識別します。また、干渉によって影響を受けるチャネルも特定します。その次に、可能であれば、干渉デバイスを撤去または無効にし、可能でなければ、アクセス・ポイントが干渉デバイスの影響を受けないチャネルを使用するようにします。

有線問題

どの無線アクセス・ポイントにも、ネットワークに接続するためのバックホール回線があり、ほとんどの場合、これがイーサネットになります。アクセス・ポイントのネットワークへのイーサネット接続は、全体の接続性に欠かせないリンクです。クライアント・デバイスが WLAN に接続する時も、ほとんどのリソースにアクセスするためには、DHCP や DNS などの基本的な有線サービスが必要となります。Wi-Fi 接続問題の原因となる最も一般的な有線問題として、次が挙げられます。

  1. DHCP および DNS サービスへのアクセス - 前のセクションで述べたように、DHCP や DNS サービスの問題は、Wi-Fi ネットワークに接続できないとユーザーに思わせる原因になります。DHCP サーバーにアクセスできないと、ユーザーのクライアント・デバイスは IP アドレスを取得できません。一方、DNS サーバーにアクセスできないと、ユーザーのクライアント・デバイスは URL を使ってウェブサイトにアクセスできなくなります。
  2. WAN の接続性 - インターネットへの WAN 接続が機能していなければ、Wi-Fi ネットワーク への接続も切れているように見えます。これは、イーサネット・ケーブルが WAN ポートではなく LAN ポートに差し込まれている、WAN インターフェースが静的 IP アドレスを必要としている、あるいはインターネット・サービス・プロバイダーのモデムに PPPoE 認証情報の入力を必要としているなど、単純なルーティング問題に起因している場合があります。
  3. アクセス・ポイントの電力 - 最新のアクセス・ポイントのほとんどは、パワー・オーバー・イーサネット(PoE)の電力で動作しています。したがって、スイッチからの給電が停止したり、間違った PoE オプションが設定されていると、アクセス・ポイントのパフォーマンスが劇的に悪影響を受けます。これにより、Wi-Fi 接続問題が発生し、エンドユーザーに Wi-Fi が機能していないと思わせることになります。

では、問題がネットワークの有線側にあるのか、どのように確認すればよいのでしょうか?最も簡単なのは、専用の Wi-Fi トラブルシューティング・ツールを使用して接続テストを行う方法です。前述のとおり、接続テストを行うことで、接続プロセスのどの部分で失敗しているのかが分かります。例えば、接続または認証ステップで失敗すれば、Wi-Fi 接続の問題であると考えられます。一方、DHCP または DNS ステップで失敗すれば、ネットワークの有線側のサービスに問題があると考えられます。これに加えて、外部ウェブサイトへの接続を確認すれば、WAN 接続の問題があるかどうかを確認することができます。最後に、ネットワークの有線側で、PoE と接続性の両方を検証できるツールを用意しておくことを推奨します。このツールがあれば、アクセス・ポイントに供給される電力を測定でき、ネットワークの有線側から接続テストを実行し、DHCP や DNS サービスの問題を迅速に発見できます。

画像 10:NETSCOUT AirCheck G2 でのイーサネット・テストの例。

有線問題に起因する Wi-Fi 接続性の問題の解決方法として、以下のヒントが役立ちます。

  1. DHCP および DNS サーバーの設定を確認します。
  2. イーサネット・スイッチと VLAN の設定を確認します。これには PoE 設定も含まれ、アクセス・ポイントの電力要件と一致していることを確認する必要があります。
  3. 配線を確認して、ケーブルに破損が無いことをチェックし、すべてのコネクターが正しく取り付けられていることを確認します。
  4. イーサネット・コードが 328 フィート以内(PoE の制限内)であることを確認します。これよりコードが長いと、アクセス・ポイントが受電する電力が予想より低くなってしまいます。
  5. PoE スイッチが過負荷になっていないことを確認します。各スイッチには出力制限があり、同時に給電しようとしているデバイスが多すぎる、あるいは 1 つのスイッチに電力を大量に消費するデバイスが複数接続されている場合、スイッチがアクセス・ポイントに必要とされる電力を供給できない可能性があります(たとえ、正しく設定されていたとしても)。

まとめ 

最後に、Wi-Fi 接続の問題のトラブルシューティングおよび解決は、難しくある必要はありません。適切なツールと少しの知識があれば、Wi-Fi 接続問題を迅速かつ簡単に解決できるはずです。NETSCOUT は、Wi-Fi ネットワークのパフォーマンスに対する可視性を得られるサーベイ・ツールから、接続テスト、Wi-Fi 以外の干渉源の特定、ネットワークの有線側のテストなどを実行できるソフトウェアまたはハンドヘルド型トラブルシューティング・ツールに至るまで、市場最高の Wi-Fi トラブルシューティング・ツールを提供するために努めております。

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