ポータブルな Wi-Fi 解析の事例|NetScout

ホワイトペーパー:ポータブルな Wi-Fi 解析の事例

目次の代わりに、次の案内文をイタリック体で一番上に配置してください。このホワイトペーパーでは、ポータボル Wi-Fi 分析の本質的な側面をカバーします:必要な場合、どのタイプの作業を実施できるか、ポータブル分析につきものの制限は何か。

はじめに

理想敵な無線ネットワークを想像してみてください。高望みはせず、現実的だが楽観的なものにしてください。本当に必要なものは残し、現実離れなものは省いてください。

まず初めに、「理想的」という言葉を定義しましょう。「理想的」は、「ユーザーにとって理想的」または「管理者にとって理想的」のどちらかを意味します。ユーザーはシームレスな接続を求めています。デバイスに電源を入れたら、もう接続している状態です。また、安定したアクセスできることも必須です。速度は最低 5 Mbps で、一般的な企業アプリケーションを実行するのに十分な速さが必要です。これらは基本的に、自宅で Wi-Fi を使用する場合に求められる要件と同じです。

次は、管理者の視点から「理想的」な無線ネットワークを定義しましょう。管理者は、機能が明白な機器を好みます。例えば、ベンダーが 最大 50 ユーザーまでサポートできる AP と謳うのなら、実際に 50 ユーザーをサポートできなければなりません。また、管理者はシンプルかつ繰り返し可能な設置を求めます。ネットワークは、テスト可能でなければなりません。スループットの測定値が、実際のパフォーマンスと一致しなければなりません。ネットワークの設定が済んだら、管理し易いはずです:インフラストラクチャ問題を修正するためにのみ必要となる稀な NOC からの遠出を除き、一元化されています。要するに、管理者は有線ネットワークと同じように管理できる無線ネットワークを望んでいます。

ある意味では、ユーザーと管理者は同じことを探しています:シンプルで予期どおりの Wi-Fi です。残念ながら、無線技術が原因で、無線ユーザーのニーズと無線管理者の要求がズレてしまうことがよくあります。それが最も顕著な分野が、トラブルシューティングと解析です。Wi-Fi は物理層に無線周波数(RF)を使用します。RF は場所によってばらつきがあります。このため、トラブルシューティングと解析は、問題が発生した場所で行わなければなりません。管理者は、中央から一元的にトラブルシューティングしたいと考えますが、ユーザーに良質な Wi-Fi を提供するためには、トラブルシューティングはポータブルでなければなりません。

Wi-Fi を擁護するとすれば、Wi-Fi はイーサネットとあまり変わりません。Wi-Fi とイーサネットのどちらの場合も、ネットワークの物理層での通信の途絶により、安定したアクセスが不可能になります。Wi-Fi を困難にさせるのは、Wi-Fi の物理層が電波だということです。ドアを閉めたり、人が動いたり、あるいは手の中にあるスマートフォンを耳に当てたりするだけで、電波が変化します。それはまるで、人がデスクの椅子から立ち上がるとデータ・ケーブルが抜けてしまうような有線ネットワークを管理するようなものです。このようなネットワークをトラブルシューティングするには、誰かにユーザーのデスクに行ってもらい、ケーブルが確実に差し込まれているかどうか確認してもらう必要があります。無線の世界では、これに相当するのが、ユーザーのデスクに持ち運べるトラブルシューティング&解析ツールを持つことです。

ポータブル・ネットワーク解析は、多くの人にとって、何年もの Wi-Fi 経験がある管理者でさえも、新しいことです。このペーパーでは、ポータブルな Wi-Fi 解析がについての基本的側面を説明します。必要な場合、どのタイプの作業を実施できるか、ポータブル分析の制限は何か。その中で、NetScout の最高クラスのポータブル・アナライザー、AirMagnet WiFi アナライザーの使い方に関するヒントもご紹介します。

ポータブルになるタイミング

ポータブル・ネットワーク解析は、無線 LAN のトラブルシューティングおよび解析ツールキットに欠かせないものですが、賢明に使用する必要があります。ポータブル解析は、準備ができていないと、難しくて時間がかかる場合があります。AirMagnet WiFi アナライザーのような比較的操作しやすいポータブル・アナライザーでも、微妙な違いや利用できる機能をすべて理解するために正式なトレーニングを受けた高度な技術を有する専門家が必要になります。また、ポータブルになるということは、AirMagnet WiFi アナライザーを実行するノートパソコンを、トラブルシューティングや解析が必要な場所に持っていくやる気が必要です。

一般的に、ポータブル解析は、Wi-Fi 問題に挑む時に最後に取るべきステップです。ステップ 1 は、ユーザーのデバイスの設定確認です。ステップ 2 は、無線 LAN インフラが適切な RF の原則に基づいてセットアップされていることの確認です。これら 2 つのステップを踏んだら、ステップ 3 はポータブルな無線アナライザーを使う番です。

ユーザーのデバイスの Wi-Fi 設定が適切に構成されているかの確認は単純な作業ですが、サポート担当者にとって役立つかもしれないヒントがあります。混雑した Wi-Fi 環境で、既存の Wi-Fi 設定を削除し、SSID を手動で再設定すると(SSID をクリックまたはタップするのではなく、入力し直す)、Wi-Fi 接続が安定する場合があります。手動で SSID を設定すると、ユーザー・デバイスは SSID が隠れていると考えます。消費者の Wi-Fi デバイスが SSID が隠れていると考えると、デバイスは接続を維持するために、一連のプローブ要求メッセージを送信します。プローブ要求メッセージにより、消費者デバイスは、近接の Wi-Fi が混雑していたとしても、近接する Wi-Fi AP を認識できるようになります。Wi-Fi のトラブルシューティングと解析に役立つもう一つのデバイスを使用したヒントは、ユーザー・デバイス上の検出機能の使用です。検出機能は、デバイスの現在のチャンネルと BSSID(AP の無線 MAC アドレス)を表示し、大規模なインフラにおける Wi-Fi 接続のトラブルシューティングに伴う不確実性を一部解消してくれます。

デバイスの設定確認後もユーザーに不満がある場合は、無線 LAN インフラのセットアップを調整する必要があるかもしれません。RF の原則に基づいて無線 LAN インフラを設計および構成することが、ポータブル Wi-Fi 解析を必要とする繰り返し発生する問題を回避する最も確実な方法です。優れた RF の原則には、AP の送信出力レベルをユーザー・デバイスの送信出力レベルとほぼ同じになるように設定し(スマートフォンやタブレットなどの消費者向けデバイスでは、通常 12~16 dBm)、ユーザー・デバイスをカバーする AP が 1 つだけになるように、有効な AP の数を制限することが含まれます。他にも有益なインフラな調整もありますが、AP の送信出力を手動で設定し、余分な AP を無効にすることが良き第一歩です。

うまくいけば、ユーザー・デバイスの設定を確認し、インフラの構成を調整したら、理想的な、またはそれに十分近い Wi-Fi ネットワークが出来上がります。そうならなかった場合は、ポータブル Wi-Fi 解析の出番です。場合によっては、ユーザーが良質な Wi-Fi にアクセスできても、ポータブル Wi-Fi 解析を行うことが得策の場合もあります。例えば、80 人のユーザー向けに設計された空間なのに、20 人のユーザーにとって Wi-Fi が良質であっても、満足してはなりません。したがって、問題のある場所と積極的なケアが必要な場所で、ポータブル Wi-Fi 解析は有用です。

究極的には、ポータブル化の決定は次の 1 つの質問により決まります:見る必要のあるもので見えていないものがあるか?倉庫の棚の近くにある Wi-Fi がひどければ、棚が問題かもしれません。そのためには、棚の近くの電波に何が起きているのか見る必要があります。大学の講堂が一杯になると Wi-Fi が悪くなる場合は、学生のデバイスが RF の品質に影響しているのかもしれません。学生が座っている場所で何が起きているのか見る必要があります。

ここまで、ポータブル解析がいつ役立つか、概略を説明してきました。これからもっと具体的な例をご紹介します。以下に、ポータブル・アナライザーが役立つ状況や作業を記載しています。

ユーザーのデバイスが見えるものをキャプチャーする

キャプチャーに使うデバイスは、ユーザー・デバイスが見えるものと違う Wi-Fi トラフィックを見ている可能性があるため、無線キャプチャーは、誤解を招く可能性があります。無線のトラブルシューティング&解析ツールが、ユーザー・デバイスに到達しなかったフレームをキャプチャーした場合、見当違いの解析になる可能性があります。逆に、トラブルシューティング&解析ツールが、ユーザー・デバイスに見えるフレームを見逃した場合、これも見当違いの解釈を招く可能性があります。しかし現実は、Wi-Fi キャプチャーが完璧になることはありません。電波が変化する性質や異なるデバイスのラジオとアンテナ間の違いは、常にキャプチャーされたものと、ユーザー・デバイスが見えるものとの間に相違を生じさせます。したがって、これらの相違を最小限に抑えたいだけなのです。この相違を最小限にする最善の方法が、ポータブル解析ツールです。

分散型の無線解析システムは人気が高まっていますが、ユーザー・デバイスが見えるものを正確にキャプチャーすることになると、大きな限界があります。分散キャプチャー・システムで使用されるセンサーには、スマートフォーンやタブレット、ノートパソコンなどの一般的なユーザー・デバイスより高利得のアンテナが備わっています。そして、センサーに高利得アンテナがあるにはれっきとした理由があります:高利得アンテナは破損を検出するために必要なフレーム数を減少できるということです。破損したフレーム数が少ないことは管理者に安堵の感を与えるかもしれませんが、キャプチャされたフレームの破損数の低下には犠牲が付いています:高利得アンテナは多くが見えすぎます。センサーのアンテナによってキャプチャーされるフレームの多くは、実際のユーザー・デバイス(低利得アンテナを搭載)によって全く受け取らない可能性があります。最終結果として、分散センサーからのフレーム(パケット)トレースで見られる問題が、実際のユーザー・デバイスでは問題ではない可能性があり、またその逆も然りです。

AirMagnet WiFi アナライザーは、人を欺くフレーム・トレースのキャプチャーに対する保護を提供してくれます。AirMagnet WiFi アナライザーは、問題のあるユーザー・デバイスの場所に持ち運べるノートパソコンで実行できるだけでなく、指定した信号レベルを超える場合のみフレームを保存・記録するように設定できます。これにより、例えばユーザーのスマートフォンが超低利得のアンテナを備えている場合(最新のスマートフォンのアンテナの利得は 1dBi 未満です)、AirMagnet WiFi アナライザーのキャプチャー・アダプターで若干高いアンテナ利得が説明できます。

フレーム見逃しの問題の解決

これを認めるのは、難しいことです。私たちは、Wi-Fi 解析が好きです。ユーザーにより良い Wi-Fi を提供できると信じているからです。結局のところ、ネットワーキングとはそういうものなのです。問題は、Wi-Fi アナライザーがいろいろなことを見逃してしまうことです。これは、スイッチ・ポートの物理的なプロパティをキャプチャおよび解析用に別のポートにミラーリングできる有線ネットワークとは異なるからです。RF の物理的特性をミラーリングすることも不可能であるため、フレームの見逃しが生じます。

また、802.11n および 802.11ac デバイスが、MIMO(Multi-Input Multi-Output)技術を使用している場合、フレームの見逃し問題をさらに悪化させます。(スマートフォンは MIMO を使用しませんが、タブレットやノートパソコンなどのより大きな Wi-Fi デバイスでは使われます。)MIMO は、スピードと範囲の面で Wi-Fi の向上に貢献しています。その一方で、MIMO は送信されたフレームがキャプチャーされない原因も作っています。これも、解析ツールと実際のデバイスとの間で RF 属性を異ならせる物理的な変数です。

RF 固有の性質により、フレームの見逃し問題を完全に無くすことはできません。分散型およびポータブル式の両方の Wi-Fi アナライザーがこの影響を受けます。しかし、ポータブル・アナライザーには、フレームの見逃し問題を最小化する能力を有する一方、分散型アナライザーにはそれが無いことが多いです。

欠如しているフレームの問題の最小化には 2 つの解決策があります:ユーザー・デバイス近辺のキャプチャとキャプチャ・アンテナの向きの調整です。分散型とポータブル式の両アナライザーでは、ユーザー・デバイスの近くにキャプチャー・ラジオを配置できます。例えば、ある大手小売チェーン店では、店員が通常 Wi-Fi ベースの POS 端末を使用するカウンターの下に分散型解析センサーを置いています。センサーの限界は、向きを変えられないことです。ポータブル・ネットワーク・アナライザーは、傾けたり、向きを変えられます。多くの場合、ポータブル Wi-Fi アナライザーのキャプチャー・アダプターを傾けたり、向きを変えるだけで、MIMO ベースのフレームを確実にキャプチャーできます。

AirMagnet WiFi アナライザーを使用している場合、Infrastructure(インフラストラクチャ)または Channel(チャンネル)画面で、見逃したフレーム数が大した問題ではないことを確認できます。データ・フレーム数が占める割合が少なくとも 30% ではないのに、制御フレームが多数存在する場合(どちらの画面でも「Frames」(フレーム数)ツリーの下で確認できます)、AirMagnet のキャプチャー・アダプターが MIMO のせいでフレームを見過ごしている可能性が高いことを意味します。(40 MHz 802.11n チャンネルや 40 MHz または 80 MHz 802.11ac チャンネルを含むよりワイドなチャンネルを使用している場合も、Wi-Fi キャプチャー・アダプターがフレームを見過ごす原因になります。)


 

キャプチャー・アダプターを動かしたり、横にしたり、向きを変えるためのその他の調整を行うと、今まで見過ごしていた MIMO データがポータブル・アナライザー・ソフトウェアに表示されるようになることがよくあります。

フレームの見過ごし問題は、キャプチャー・アダプターを取り替えることで解決できる場合もあります。AirMagnet WiFi アナライザーのようなポータブル解析ツールを使用すると、キャプチャー・アダプターの交換は簡単です。USB アダプターは、ExpressCard アダプターまたは別のモデルの USB アダプターと取り替えられます。無線キャプチャーに固定センサーが使用されている場合、キャプチャー・ラジオとアンテナの交換は通常不可能になります。

最適なチャンネルの特定

最も問題のある Wi-Fi 環境では、新しい AP、別のアンテナ、AP の設置場所の変更などが必要になる場合がありますが、ほとんどの企業 Wi-Fi では、単純に既存の AP の RF 設定を最適化するだけで十分な改善が見られることがあります。RF 設定の最適化には 3 つのタスクがあります:過剰な AP 無線の無効化、ユーザー・デバイスの送信電力に近似的に一致させるための AP 送信電力の設定、およびベスト・チャンネルの選択です。検出(スキャナー)アプリケーションは、どの AP ラジオを無効にするべきか特定するのに適しています。最適な送信出力設定を判断するには、分散型またはポータブル型を問わず、どの Wi-Fi アナライザーも使用できます。



 

チャンネル選択は、ポータブル Wi-Fi アナライザーを必要とする最適化作業の一つです。エンタープライズ Wi-Fi ネットワークには、RF 設定を自動的に最適化するデザインのプロトコルがありますが、それらのプロトコルはポータブル・アナライザが成功するのと同じ理由により失敗します:それは場所です。自動 RF 設定プロトコルは、固定機器である AP からキャプチャーされたデータを収集します。最適なチャンネルを知るには、ポータブル・デバイスはユーザーが接続したい場所でキャプチャーを行わなければなりません。ユーザーの場所からキャプチャーすると、RF 設定を選択する時により正確な情報を使用できます。

AP にとって最適なチャンネルを判定するために使用できるメトリクスは多数ありますが、そのうち:再試行% とデータレートの 2 つが特に有用です。AP とユーザー・デバイスが低いデータレートを使用し、再試行率が低い場合、チャンネルが効率的に使用されていることを意味します。これら 2 つの統計情報とともに、同じチャンネルを使用する近接する既存の AP とステーションの数、そのチャンネル上の管理トラフィック量は、ユーザーのニーズに最も合ったチャンネルを示す重要な指標です。


 

最適な AP チャンネル設定を特定するにあたって忘れてはならない最も重要なことは、解析は AP の設置場所ではなく、ユーザーが接続する場所で行うべきということです。AP の近くでチャンネルが混雑していることはとても理想的とは言えませんが、ユーザー・デバイスの近くでチャンネルが混雑しているよりはずっとましです。ユーザー・デバイスは、AP 周辺の電波が悪ければ、いつでも他の AP に関連付けする選択肢があります。しかし、ユーザーのデスク、キュービクル、またはオフィスで電波が悪ければ、解決の手段がないかもしれません。ユーザーは、新しい場所に移動するか、質の悪い Wi-Fi を我慢するかのどちらかになります。そのため、設置された AP の最適なチャンネルを選択する際には、必ずユーザーが無線 LAN を使用する場所で RF 環境を解析する必要があります。

見過ごされ、過小評価される

ほとんどの場合、無線管理者が最もやりたくないのは、ポータブルになることです。それは理解できます。ポータブル Wi-Fi 分析は、管理者の最も貴重なリソースである時間を食います。一方で、ポータブル解析は、無線担当者には欠かせない武器でもあります。ユーザーの居場所に出向き、フレームが喪失した場合にキャプチャの向きを調整し、実際の環境やデバイスに合わせた問題解決ができるようにカスタマイズされた提案を行える能力に代わるものはありません。

 


 

 
 
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