再試行の高いパーセントの原因を判定|NetScout

再試行の高いパーセントの原因を判定

Wi-Fi テクノロジーの進歩によって、Wi-Fi は、ソーシャル・メディアからビジネスに不可欠なアプリケーションまで、あらゆるものに推奨されるアクセス方法になっています。これによって新たなレベルの高性能への期待が高まっており、あらゆる悪影響は直ちに解決する必要があります。再試行レートはパフォーマンス問題の最も信頼できる指標です。高い再試行レートを素早く診断し、その根本原因を特定することは、Wi-Fi ネットワークの高パフォーマンスを維持するために不可欠な活動です。

はじめに

Wi-Fi はここ数年間で大きな変革を遂げてきました。デバイスからアクセスポイント (AP) からアンテナから管理ソフトウェアへ、大きく変革した技術面は無数にあります。それはトレードオフでもありません。支払い額は減り、より多くができるようになる...通常はこういうことです。

Wi-Fi の高度化に伴い、ネットワーク・エンジニアにとってありがたくない副作用が出現しました:人々が問題なく機能することを期待するようになりました。ワイヤレスの不安定な接続はユーザーのため息では済まなくなりました。今日では、Wi-Fi がつながったが、ユーザーのホーム Wi-Fi が完璧に機能しないとトラブル・チケットが送られることになります。

ある面では、これは技術の成熟の正常な姿だと言えるでしょう。成熟した技術である自動車について考えてください。信頼できる性能を維持できなければ人々は購入しないでしょう。いつオイル交換しなければならないかわからないようでは、スピードも加熱シートもピンポイント・ハンドリングも助けになりません。メンテナンスは要件であり、オプションではありません。

デバイス、AP を始め、Wi-Fi チェーンの多くのリンクの改善が進むにつれて、問題点は空中に移動しています。エンジニアは、その最も敏感なネットワーク部分に問題があるか、その理由は何かを知る必要があります。

幸いなことに、空中での問題の最も信頼できる症状は再試行パーセントであることが知られています。Wi-Fi では、再試行とは再送信されたフレームを意味します。(「フレーム」は一般に「パケット」と呼ばれているものを指します。Wi-Fi では、「パケット」は IO ヘッダーの存在を暗示するため、「フレーム」という用語が好まれます。多くの Wi-Fi フレームは IP ヘッダーを含みません。)再試行は衝突に続いて発生します。

衝突(コリジョン)は再試行として Wi-Fi フレーム内で特定されますが、これが高い割合で存在することは Wi-Fi パフォーマンスにとって良い知らせではありません。衝突は、Wi-Fi フレームの不成功を意味し、不成功なWi-Fi フレームはチャンネル時間の無駄遣いです。衝突はまた、Wi-Fi 競合ウィンドウを増やし、これもチャンネル時間の無駄遣いとなります。フレームの失敗によるチャネル時間の喪失と大きい競合ウィンドウは、真の有益なデータに利用できるチャンネル時間の減少を意味します。それは、Wi-Fi パフォーマンスには良くありません。

再試行が生じたかを特定することは比較的簡単で、特に NETSCOUT AirMagnet WiFi アナライザ PRO のようなツールを使用すると至ってシンプルです。データの大小を問わず、AirMagnet は十分な画面を備えています。AP とステーションの全グループの統計が欲しいですか?AirMagnet のチャンネル画面には、Wi-Fi 無線を持つ各デバイスの再試行数とパーセントが一度に 1 チャンネルずつ表示されます。1つの AP またはステーションを対象とした再試行統計が欲しいですか?AirMagnet のインフラストラクチャ画面で、ワンクリック・デバイス・フィルターを統合することで表示できます。

問題は、Wi-Fi 再試行を見るのは車から液漏れを見るようなものだという点です。何か問題があることはわかりますが、一体何が問題なのかはわからない点です。そのため、このホワイトペーパーでは生の再試行数を取得することの説明には留まりません。ここでの目標は、再試行の高いパーセントの根本原因を理解し、AirMagnet Wi-Fi アナライザ PROをどのように使用して Wi-Fi パフォーマンス問題の原因を判断するかを理解することです。

一般的な原因

まず、原因です。Wi-Fi パフォーマンス問題には幾つかの共通した原因があり、それらはすべて再試行の高いパーセントにつながります。原因:

干渉問題

ワイヤレス・ヘッドセット、自動証明システム、セキュリティ・カメラ、その他多数の 802.11/Wi-Fi プロトコルを使用しないワイヤレス・デバイスからの操作は Wi-Fi 衝突を引き起こします。

隠れ端末

「隠れ端末」は、近くの Wi-Fi トラフィックが聞こえない Wi-Fi AP またはステーションですが、その同じ Wi-Fi トラフィックに干渉することはできます。そのような状況は有線ネットワークでは発生しなく、一風変わった状況です。有線デバイスなら、それが何かに到達できれば、それを聞くことができます。

ワイヤレス・ネットワークでは、送信されたフレームのリーチは受信デバイスが聞こえる領域とは非常に異なる場合があります。下の図をご覧ください:

隠れ端末 隠れ端末領域内にあるステーションと AP は衝突を引き起こします。これは特に Wi-Fi ネットワーク・トラフィックが増えると顕著になります。

スティッキーデータレート

IEEE 802.11 規格は Wi-Fi の規制とプロトコルを司りますが、デバイス動作の多くの面はベンダーの解釈にオープンのままになっています。そのような側面の 1 つはデータレートの選択です。各 Wi-Fi ステーションと AP は、各送信フレームに対してどのデータレートを使用するかを選択する権限を持ちます。

移動、輻輳、その他一般的なエンタープライズ Wi-Fi イベントにより高周波 (RF) チャンネルの状態が変化すると、AP とステーションはそれに合わせてデータレートを変更するか、意図された受信者に送信フレームが届かないというリスクを犯すこととなり、これはまた再試行につながります。

送信電力の不一致

データの選択と同様、無線送信電力は IEEE 802.11 規格では制御されていません。異なる環境とデバイスは異なる Wi-Fi 要件を持つため、これらはいずれも同じ理由で AP とステーションに任されており、いずれも同じ結果を引き起こす可能性があります:Wi-Fi の衝突。

無線送信電力は、AP とステーションが顕著に異なる送信電力レベルを使用する場合、衝突を引き起こすことが多々あります。AP 送信電力がステーション送信電力より大きく異なる場合、電力の低い方が間違って高データレートが安定していると信じるため、送信の失敗を引き起こし、最終的には再試行となります。

低データレートの無効化

最新の Wi-Fi ベストプラクティスはときには6、12、18Mbps を含む低 OFDM データレートを無効にすることを必要とします。目標は、802.11 管理トラフィックの Wi-Fi チャンネル時間の消費量は高レートが必要なときに低いため、スループットテスト結果を拡大させることです。

低データレートを無効にすると、多くの場合実際のユーザーが到着すると再試行パーセントが増えるという意図しない結果となります。物理環境への自然の変更(ドアの開閉、人々の動きなど)は、AP とステーション間の RF リンクの安定性を損ないます。IEEE 802.11 規格は、そのような場合に備えてフェイルセーフな低データレートを提供します。これらのレートが禁止されている場合、フェイルセーフはなくなり、過剰な再試行につながりかねません。

有効な診断

高い再試行パーセントの後者 2 つの原因は、Wi-Fi インフラストラクチャの構成にシンプルな変更を加えることで修正できます。ネットワーク・エンジニアはすべての OFDM データレートを有効にし、AP 送信電力が最新 Wi-Fi ステーションで一般的に使用されている範囲に落とすことができます。AP 送信電力範囲 14 ~ 17dBm は2010年代半ばまでのスマートフォン、ノート PC、タブレットでうまく機能します。

NETSCOUT AirMagnet WiFi アナライザ PROでは、多数の AP モデルのデータレートと送信電力の設定を表示できます。ネットワーク・エンジニアはAirMagnet WiFi アナライザ PRO のインフラストラクチャ画面に移動し、画面の左パネルのリストから目的の AP をクリックし、画面の右下から AP 詳細タブを選択します。

AP ビーコン・フレームから収集した情報が AirMagnet WiFi アナライザ PRO のインフラストラクチャ画面の AP 詳細パネルに表示されます。IEEE 802.11 規格によりビーコン・フレームで有効にされたデータレートの表示が必須となる一方、AP 送信電力情報を含めるのとは任意選択です。

送信出力

前者 3 つの原因(干渉、隠れ端末、スティッキー・データレート)が高い再試行パーセントの理由の 1 つであるかを判断することは複雑です。これには、高周波数通信と最新 Wi-Fi ステーションの動作、および AirMagnet WiFi アナライザ PRO のようなエンタープライズ・クラスの Wi-Fi 分析ツールの知識が必要です。

理解する必要のある最も基礎的な高周波数のコンセプトは、Wi-Fi 通信は究極的には受信側の手中にあるということです。RF 干渉または競合する Wi-Fi トラフィックが受信 AP またはステーションの近くのチャンネルに出現した場合、「衝突」(フレーム送信の失敗)が起こります。RF 干渉または競合する Wi-Fi トラフィックが送信 AP またはステーションの近く(またはその中間)のチャンネルに出現した場合、フレーム送信の成功が可能となります。

Wi-Fi は概ね、場所特有のネットワーク・テクノロジーです。近隣、干渉、およびその他 Wi-Fi パフォーマンスに影響する要素は受信場所に出現しない限り問題になりません。

場所特有分析を実施する場合、移植性ば重要ですが、AirMagnet WiFi アナライザ PRO はまさしくそれを提供します。WiFi アナライザ PRO は、Windows 搭載ノート PC または NETSCOUT OptiView XG 分析タブレット上で実行できます。いずれのオプションも、ネットワーク・エンジニアがユーザーにより Wi-Fi 問題が報告された領域の周りを動き回って、そこから高い再試行パーセントの原因を調査できるようにします。

この時点で、AirMagnet 製品ラインには NETSCOUT のクラス最高の Wi-Fi スペクトラム・アナライザである AirMagnet Spectrum XT も含まれていることを述べないと、怠慢ということになります。Spectrum XT と WiFi アナライザ PRO の組み合わせは、ノート PC 上で実行するか、Optiview XGの手軽なタブレット・フォームファクターに組み込まれているかを問わず、決め手コンボとなります。

AirMagnet スペクトラム XT と WiFi アナライザ PRO の組み合わせは、干渉が無線の再試行を引き起こしているかどうかの判断に特に効果的なソリューションとなります。Spectrum XT はスペクトラム・アナライザであり、スペクトラム・アナライザはソースが Wi-Fi か干渉かにかかわらず、すべてのソースからの RF 活動を表示します。Spectrum XT はまた、干渉源の受信信号強度も表示するため、追跡が簡単になります。

ここでも干渉は AirMagnet WiFi アナライザ PRO を使って特定することもできますが、やや骨折りが必要です。干渉の主な Wi-Fi インジケータは過剰な再試行ですが、干渉に基づく再試行は殆どが干渉源の周辺領域で発生しています。このため、対象 Wi-Fi デバイスが受信する Wi-Fi トラフィックの再試行パーセントに注意しながら、そのデバイスを干渉問題が疑われる場所に移動する必要があります。Wi-Fi デバイスの受信再試行パーセントは、WiFi アナライザ PRO でインフラストラクチャ画面に移動し、統計ペイン(右下角)を「Rx Total/% Total」と表示するように変更してから左側ペインのそのデバイスをクリックすることで表示できます。

再試行率

高い再試行パーセントの一般的な原因のもう一つ - 隠れ端末 - の特定は、パフォーマンスの特定とはほぼ正反対の方法で行います。隠れ端末の問題は、AirMagnet WiFi アナライザ PRO で受信データではなく送信データの再試行パーセントを表示することで 診断します。デバイスまたは AP に隠れ端末の問題がある場合、隠れ端末がアクティブになると送信データの一部が失敗します(再試行を引き起こします)。

隠れ端末の明らかな兆候は、受信再試行パーセントが送信再試行パーセントより著しく低いことですが、それだけでは隠れ端末の存在を証明することはできません。送信再試行パーセントが受信再試行パーセントを上回る理由はいくつかありますが、最も一般的なのは送信電力の不一致です。しかしながら、AP の送信電力が Wi-Fi デバイスの送信電力に一致するように設定されている場合には、非対称で高い送信再試行パーセントが隠れ端末問題を示唆する可能性があります。

再試行率

隠れ端末の問題が疑われる場合、その時点で施設のフロアプランを参照することを推奨します。隠れ端末は、幾つかの AP または Wi-Fi デバイスが同じチャンネル上にあり、受信機の場所で衝突を引き起こすに十分なだけ近くにあるが、発信機のレンジ外である場合に発生します。実際のところ、これは OptiView XG に統合されたものも含め、フロアプランやチャンネル・パターンを表示できるため、AirMagnet サーベイ PRO を含む AirMagnet 製品スイートが手助けできるもう一つの例です。

高い再試行パーセントの一般的な原因の最後のものであるスティッキー・データレートは、AirMagnet WiFi アナライザ PRO を使用して最もシンプルに診断できるものです。どのデータレートが AP または Wi-Fi デバイスから送信されたかを見てから、高レートフレームが多すぎるかをチェックします。AP と Wi-Fi デバイスは、再試行が発生していれば送信データレートが低くなることが予測されますが、一部の AP と Wi-Fi デバイスではそうではなく、結果は受信されない大量の高レート・トラフィックであり、再送信が必要となり、その過程で他のすべての AP と Wi-Fi デバイスのチャンネル時間が無駄遣いされることになります。

AP と Wi-Fi デバイス・データレートは AirMagnet WiFi アナライザ PRO のインフラストラクチャ画面で表示できます。データレートは、再試行パーセントが表示されたのと同じ場所である統計ペインに集計されます。まず、AP と Wi-Fi デバイスをインフラストラクチャ画面の左ペインで選択します。次に、統計ペインのレート領域に続いてバイト領域を展開します。統計ペインに「Tx Total/% Total」が表示されたら、作業を開始できます。各レートで送信されたトラフィックのパーセントが表示され、AP または Wi-Fi デバイスの送信データの再試行パーセントへの相互参照がなされます。高い再試行パーセントと高いデータレートは、選択した AP または Wi-Fi デバイスのデータレートがスティッキーであることを意味します。

スティッキー・データレートは、高い再試行パーセントの原因のうち解決できないものの一つです。AP でステーションと同様の電力を使用するように設定することができます。すべての OFDM レートを有効にするように AP を設定することもできます。干渉源が特定されたら、その干渉を除去するか、その Wi-Fi ネットワークのチャンネルを変更することができます。隠れ端末の問題があれば、その解決策は幾つかあります:AP を移動する、AP チャンネルを変更する、AP 無線を無効にする、AP を追加して AP または Wi-Fi デバイスの RTS しきい値を下げる(RTS しきい値が設定されている場合)など

AP および Wi-Fi デバイスのスティッキー・データレートはメーカーで設定されたものです。ネットワーク・エンジニアは AP や Wi-Fi デバイスメーカーではないため、そのレベルのコントロールはありません。

幸いなことに、Wi-Fi 市場はかつてなく競争が激しくなって来ています。AP、スマートフォン、ノート PC または他の Wi-Fi デバイスにスティッキー・データレートの問題があれば、メーカーに知らせてください。性能の低い Wi-Fi デバイスが欲しい会社はありません。

Wi-Fi 再試行パーセントのトピックでは、多数の変数が紹介され、Wi-Fi 導入に関する問題のトラブルシューティングあるいは単に一般的な分析を行う場合でももどかしい思いをする可能性があります。高い再試行パーセントの一般的な原因についての知識が役立ちます。NETSCOUT AirMagnet WiFi アナライザ PRO を使って、慢性的に高い再試行パーセントの原因を特定することも有用なことで、その問題が排除されたときの気分は爽快です。

 
 
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