ホワイトペーパー:データセンターの統合|NetScout

ホワイトペーパー:データ・センターの統合化の成功を保証

データ・センターの統合化のビジネス事例には説得力があり、大規模な多国籍企業に限定される話ではありません。中小企業も同様にデータ・センターの統合化にふさわしい候補者です。統合への関心が高まっていますが、これには複数の要因が関係しています。ネットワーク・インフラストラクチャ、アプリケーション、サービスの複雑さは増す一方です。ユーザーの可動性と要求は急激に高まり、取り組んでいるタスクや場所に関係なく、生産性を高めるパフォーマンス・レベルが求められています。また、グローバルな経済環境により、企業は品質を落とさずに設備投資と経費を削減する方法を見つけなければなりません。

    目次
  • 要約
  • データ・センター統合化プロジェクトに乗り出す理由
  • 克服すべき障害
  • パフォーマンス管理ツールに必要な機能
  • TruView™ アプライアンス - 真の統合型プラットフォーム
  • インフラ・データのモニタリング
  • データ・センター統合化成功の実現と判定

要約

データ・センター統合化の見込みと利点は魅力的ですが、企業には、この取り組みに向こう見ずに飛び込むゆとりはありません。目的地にたどり着く前に、統合化プロジェクトを挫折させかねないさまざまな試練が待ち受けています。加えて、企業は戦略的な長期的観点を持って統合化に対応しなければなりません。そうしないと、短期的な利益は得られても、単なる見かけ倒しに終わってしまう可能性があります。長期的観点を持つには、現在のネットワーク、アプリケーション、サービスのパフォーマンスを詳しく理解し、新しい運用環境への移行を計画して実行し、最新のアーキテクチャを積極的にモニタリングおよび管理して、現在と将来の成功に必要なベンチマークとメトリクスを継続的に確実に達成する必要があります。

統合型データ・センターを効果的かつ継続的に管理することは、この取り組みの投資収益率を向上し、最大化するための決め手です。残念なことに、これはプロセスで最も困難なステップでもあります。アプリケーション・フロー・モニタリングやトランザクション・ビュー、パケット解析、SNMP ポーリング、S2D(Stream-To-Disc)アーカイブなどの従来のパフォーマンス管理ツールは、複数のプラットフォームを必要とするので、統合化の成果として利用できる利点を低減してしまうためです。企業が必要としているのは、業務、IT、エンドユーザーの観点から、統合型データ・センターで実行されているネットワーク、アプリケーション、サービスのパフォーマンスを正確に反映する情報を取得、統合、保持、提示できる、スケーラビリティ、広範さ、詳細さを兼ね備えたソリューションです。

費用

データ・センターの統合化に伴う専有面積の縮小により、企業は設備投資と運営費の両方で費用削減を実現できます。設備投資の面で言うと、統合化環境は、ネットワークとアプリケーションのインフラストラクチャの縮小を意味します。この結果、企業が必要とするハードウェア、すなわちサーバー、スイッチ、ルーター、その他の機器の数を抑えられます。サーバー数が減るということは、必要なソフトウェア・アプリケーションのインスタンスが減ることにつながり、設備予算をさらに削減できます。

クラウド・ベースの Saas オプションの急増に伴い、データ・センターの統合化によって、運営費を削減する多くの機会が提供されます。遠隔地の施設を廃止したり、規模を縮小することで、賃貸費を節約できます。これらの施設への接続も縮小できるので、転送費を削減すると同時に、サービス・プロバイダーとの関係およびパフォーマンスの管理改善の準備も整います。統合化されたインフラストラクチャは消費電力も少なく、簡単に冷却できるため、公共料金を削減でき、注目度が急速に高まっている「環境に優しい」イニシアティブへの道が開けます。おそらく最も重要なのは、統合化によって、IT 担当者や運用担当者の負担が軽減されることでしょう。遠隔地での作業が少なくなれば、これらのサイトの管理要件や通信要件が劇的に減少します。この結果、IT および運用担当スタッフは、問題の切り分けと解決に要する時間も費用も削減できる可能性があり、最もビジネス・クリティカルで優先順位の高いタスクにより多くのリソースを割り当てることができるようになります。

最適化

ネットワーク、アプリケーション、サービスがさらに複雑化し、ユーザーは機能やパフォーマンスを低下させることなくユニファイド・コミュニケーションを実施したいと希望する中で、企業の従来の分散型インフラストラクチャではこの負担に耐えることが難しくなっています。突発的な企業合併や買収により、企業が拡大し、ネットワークとアプリケーションの不一致が増し、維持がほとんど困難な状況になっています。


図 1:データ・センターの統合化は、インフラストラクチャを単純化するだけでなく、最適化することで、サービスの質を維持して、最終的に改善するためにも必要です。

統合化によって、最適化へのいくつもの道が開けます。1 つは、前述した「転送」です。より中央集中型のアプローチを用いることで、モニタリング対象の経路が減り、アーキテクチャの制御もわかりやすく容易になるほか、トラフィックのパターンや量もさらに可視化され、明確にすることができます。このような環境では、帯域幅の利用率と包括的なネットワークとそのアプリケーションのパフォーマンスを最大化する、より高度なプロトコルや管理戦略を実装する手段が生まれます。

データ・センターの統合化は、アプリケーションの仮想化とも連携しています。アプリケーション仮想化の目的は、アプリケーションをサーバーから切り離すことです。共同設置された物理サーバー上でアプリケーションを実行するのでなく、統合型データ・センターなど、企業内の任意の場所に常駐する仮想サーバーで実行することができます。この結果、各物理サーバーが多くのアプリケーションを処理し、それぞれが専用サーバーであるかのように実行されるため、必要な物理サーバーの数が抑えられます。共有サービスを適切に計画して維持することにより、共有サービスの採用がアプリケーションのエンド・ユーザーに対して透過的でありながら、サービスの質をより管理しやすくすることができます。アプリケーション仮想化の利点は非常に説得力があるため、コンサルティング会社の EMA によるサーベイでは、企業の 4 分の 3 近くが、少なくとも自社の生産アプリケーションの幾つかを仮想化していると推定されています。

データ・センターの統合によって、ビジネス・クリティカルなプロセスやシステムの自動化は現実的な選択肢となっています。たとえば、データ・センターの自動化ソリューションにより、失敗したアプリケーションの再起動、新しいサーバーの動的な割り当て、スケジュール化されたバックアップの実施、動作環境の設定管理の実行が可能になります。自動化は、プロセスの一貫性をはじめ、企業規則や規制の施行、プロセス実施の促進、人的エラーの最小化など、多数の利点をもたらします。また、変化する条件に効率的に順応することが可能となり、IT チームやオペレーション・チームは自動化されたプロセスやシステムでは入力やサポートを手動で行う必要がなくなるため、生産性を高めることができます。


セキュリティ

ネットワーク、アプリケーション、サービスの設置スペースが広く分散されるにしたがって、セキュリティ侵害を受けやすく、脆弱になります。データ・センターの統合により、より洗練された継続的なリスク緩和戦略の基盤を構築しながら、即座に強化できます。

統合によって、あるセンターは完全に廃止され、別の施設では規模や業務範囲の縮小が見られることになります。管理するサイトや資産が少なくなることで、企業を保全する物理的な仕事が非常に簡単になり、コストも削減され、必要なリソースも少なくてすみます。同様に、企業向けアーキテクチャが小型になればなるほど、依存する施設間の接続数が少なくてすみます。トランスポート・レイヤーの接続性が簡素化されると、情報セキュリティへの焦点を絞ることができ、効果性が高まります。トランスポートの電子的セキュリティを向上させることが重要なのは、マルチプロトコル・ラベル・スイッチングや音声、データ、ビデオのコンバージェンスなどの技術の拡大によってトランスポートの役割が変革しているからです。これは今や、情報を転送するための二点間の単なる接続ではなく、セキュリティを犠牲にすることなくサービス・レベルを向上させる約束を実行するために不可欠なアプリケーション認識インフラストラクチャの統合になっています。

今日の非常に競争の激しいグローバル経済において、企業の成功は、ネットワーク、アプリケーション、およびサービスの可用性やレスポンス・タイムに直接結びついています。これらのいずれかに障害が生じた場合は、その原因がセキュリティの侵害であれ他のイベントによるものであれ、問題の重度や影響にかかわらず、パフォーマンスをできるだけ早急に回復することが重要となります。したがって、障害リカバリーが業務の最優先事項となります。データ・センターの統合により、障害リカバリー・ソリューションのプランニング、導入、実施はそれほど手がかかるタスクではなくなります。これは、重要なコンポーネントがすべて同一の場所に配置され、複製やフェイルオーバー開始が簡単にできるからです。

適合

企業がどの業界で操業しているかにかかわらず、コンプライアンスはその重要性をますます高めています。ビジネス・ユニットや社員は、企業のポリシーや手順を厳守していることを示す必要があります。企業には、Sarbanes-Oxley 法などのすべての政府規制を遵守していることを実証することが必要とされているだけでなく、新たな契約獲得、サービスの利用資格、または営業機会の確保に、クレジットカード業界のデータ・セキュリティ基準 (PSI-DSS) のような民間規制も遵守することが要求されています。IT 担当者は、購入した、または社内で開発されたハードウェアやソフトウェアのコンポーネントが ITIL などの業界規準を満たしていることを示さなければなりません。IT やオペレーションの担当者は、ビジネス・ユニットの利害関係者との社内関連およびパートナーや顧客との社外関連の両方で、サービス・レベル・アグリーメントによるコンプライアンスの追跡を実施できなければなりません。

データ・センターの統合によって、少なくとも 2 つの面でコンプライアンスが容易になります。まず、プロセスとシステムの自動化を促進することで、人員をループから排除し、実施される手順や機能を包み込んで、関連するポリシー、規制、基準、サービス品質メトリクスとともにロックステップ内にとどまるようにします。次に、一定時間内または長期間にわたり、オペレーションのコンプライアンスについて決定的なデモンストレーションを可能にすることで、総合的な監査機能の導入を奨励します。

コンプライアンス・カテゴリー 定義  統合の影響/利点
行政 企業がビジネスの取得と維持のために遵守しなければならない連邦、州、および地域の規制。 Sarbanes-Oxley 法、建議と認定 ハードウェア/ソフトウェアの設置スペースを削減することで、総合的な監査と在庫管理を容易にする
業界 垂直市場セクター内またはセクター全体を通じて発令され、サービスへのアクセスや提供に影響を与える規制   ハードウェア/ソフトウェアの設置スペースの削減により、物理的なセキュリティや情報セキュリティを向上させ、監査やパフォーマンス追跡を改善する
企業 効率や企業倫理を高めるために企業が発行したポリシーと手順 ウェブサイトのアクセス、電子メールの使用 アプリケーションの仮想化は、企業全体でのすべてのトランザクションをモニタリングするための下準備
テクノロジー ハードウェアとソフトウェアの導入、展開、パフォーマンスのベストプラクティスと規準 ITIL 中央化されたハードウェア/ソフトウェアのインフラストラクチャとオペレーションにより、規準を採用し厳守するための権限を IT に譲与
サービス・レベル・アグリーメント サードパーティ・パートナーやプロバイダーが発行したサービスのパフォーマンスと品質に対する保証 帯域可用性、VoIP 平均オピニオン評点 トランスポートの設置スペースを小さくすることで、リアルタイムと時系列でのパフォーマンス追跡を容易にする
サービス・レベル・メトリクス ビジネス・ユニットを対象に発行される社内向けのパフォーマンスとサービスの質の保証 アプリケーションの可用性、アプリケーションのレスポンス・タイム アプリケーション仮想化により、パフォーマンスのモニタリングと使用率評価のためのトランザクション・フォレンジックの収集が促進

表 1 は、主要コンプライアンス・カテゴリーとデータ・センター統合の影響を示しています。


克服すべき障害

データ・センター統合の利点は明確かつ説得力があります。企業では、統合活動にコミットメントする前に、移行が簡単なものではないことを理解しておくことが必要です。Forrester のサーベイによると、一般的に、統合プロジェクトは完了までに 18 ~ 24 か月かかります²。この期間、企業では、現在の動作環境を評価するのに必要なハードウェアとソフトウェアのコンポーネントとスタッフを配置し、移行を計画し、新しいアーキテクチャをオンライン化するためのリソースと予算を確保しなければなりません。展開途中や展開後も、企業は、統合の成功を阻止するおそれがあるさまざまな障害に対処する準備が必要です。こうした課題は一般に、人事、報告、ツールの 3 つの分野に分類できます。

人事

データ・センター統合の主要ポイントの 1 つは、ネットワーク、アプリケーション、サービス・インフラストラクチャをできるだけ 1 つにまとめることです。その結果、以前は分散してそれぞれのドメインで機能していた IT チームやオペレーション・チームが肩を並べて仕事をしなければならないことになります。このシナリオでは、名目上の条件下で円滑なオペレーションを確保するために、また、異常事態が発生したときに問題を効率的に解決するために、少なくともドメイン間の交渉術が必要とされます。しかし、統合の利点を完全に得るには、交渉術だけでは不十分です。ドメイン間の習熟によって、企業は、相互交換できるパーツにチームを従事させて、統合を十分に活かすことができます。これにより、すべての条件下でオペレーションとスタッフの生産性が最適化されます。従来のアーキテクチャの制限により、ドメイン間の専門知識が欠けていることがほぼ確実に予測されるため、この知識を移行の取り組みの一環として培う必要があります。

また、データ・センターの統合は、データ・センターのマネージャーの役割が変更することも意味し、企業は移行を計画する際にこの事実を把握しておくことが必要です。分散化されている企業のほとんどにおいて、限定された特定分野を対象とするデータ・センターは技術重視のマネージャーを必要とします。統合された世界では、データ・センターの視野は遥かに広くなり、ビジネスの多くの面に触れます。データ・センターのマネージャーはこの現実に見合ったスキルを必要とします。当事者全員を効果的に 1 つにまとめるために、マネージャーは技術的な能力だけでなく、マーケティング、財務管理、オペレーション・プランニングにも経験がある外交家でなければなりません。このような能力がある個人を見つけることが不可欠ですが、こうした幅広いスキルを持っている人は非常に少ないので、たやすいことではありません。

レポート

データ・センターの統合により、企業全体に広がっていたリソースが共通のプールに集められます。その結果、独自のネットワーク、アプリケーション、サービスを管理、維持していたビジネス・ユニットはそれができなくなります。こうした管理を手放す代わりに、これらのグループは、統合がもたらす共通の利点だけでなくそれ以上のものを要求するようになります。統合されたデータ・センターのオペレーションに関する奥行きのある可視性を要求します。これにより、しばしば欠如しているレポートの頑健性が必要とされるようになります。

本質的に、ビジネス・ユニットは統合されたデータ・センターの社内顧客です。ビジネス・ユニットのオーナーがオペレーションを今後も引き続きサポートしていくためには、ビジネス・ユニットの重要なアプリケーションが、自分たちが管理していたときと同様あるいはそれ以上のレベルのパフォーマンスを発揮しなければなりません。言い換えれば、社内で直面するサービス・レベル・アグリーメントやサービス・レベル・メトリクスが、統合されたデータ・センターとビジネス・ユニットとの間で定義され確立されなければならないということになります。アプリケーションの可用性や、デスクトップとデータ・センター間のトランザクションに対するエンドユーザーのレスポンス・タイムなどのメトリクスは、コンパイル、追跡、定期的なレポートを通じて、ビジネス・ユニットのオーナーを確保しておくのに必要な証拠を提供します。

サービス・レベル・メトリクスはレポートの重要な側面の 1 つにすぎません。もう 1 つの側面は使用量と請求業務に関するものです。ビジネス・ユニットのオーナーは、実際に使用するリソースに対してのみ支払うことを希望し、統合されたデータ・センターのコストを均等に分割して支払うことで、他のビジネス・ユニットの活動を支援することは望んでいません。したがって、レポート機能は、各ビジネス・ユニットが使用するすべてのネットワーク、アプリケーション、サービスの使用率評価とそれに対応するチャージバック/ビルバックを含むように強化されなければなりません。

ツール

データ・センター統合とそれに伴うアプリケーション仮想化によって、企業のアーキテクチャを合理化できますが、管理については複雑になります。より多くのサービスが仮想化されるにつれ、データ・センターからデスクトップまでのアプリケーション使用率の単一のビューを提供することがますます困難になります。これは、単一の物理サーバーが複数の仮想マシンをサポートできるからです。データベース・サーバー、アプリケーション・サーバー、電子メール・サーバー、ファイル・サーバーはすべて同一のハードウェア、追跡ネットワーク、アプリケーションを共有する可能性があり、サービスのパフォーマンスを発揮することは難しい注文です。アプリケーション仮想化に特有の抽象化レイヤーの増加は、さらなる課題となります。これは、サーバーとアプリケーションが密に結びついている従来の環境と比べて、利用できる物理的な実証が少ないためです。


直接連結するアーキテクチャを超える、統合された仮想化世界でネットワーク、アプリケーション、サービス・パフォーマンスを効果的にモニタリングおよび管理するにあたり、企業はさらなる障害に直面します。従来のパフォーマンス管理ツールの大部分は、特定のアプリケーション、サービス、またはネットワークの地理的あるいは論理的な一部分のみに重点を置くサイロ型(縦割り型)のオペレーションで最も機能を発揮します。こうしたアプローチは、分散型アーキテクチャでは容認されても、統合されたデータ・センターでは問題の原因となります。これは、アプリケーション仮想化管理ツールを含めて発展する複数のサイロが従来のパフォーマンス管理ツールと統合されていないからです。

その結果、オペレーション担当者は、独自の機能やユーザー・インターフェースを持つ一連の異種ツールを使用して、各自の経験と専門知識を合わせ、手動で情報を関連させて、問題の識別、特定、解決を図るという、「回転いす」管理を余儀なくされる状況となります。最善の場合、パフォーマンス管理は統合された情報や人員の利点を生かすことなく、分散型環境時と同様に実施されます。最悪の場合、オペレーションと IT チームのさまざまな機能が統合されたデータ・センター内で平和に共存することが不可能となり、互いを非難しあう頻度や程度が高まり、異常事態を解決する効率が低下し、社内外の関係者や企業経営層に残念な思いをさせることになります。

パフォーマンス管理ツールに必要な機能

パフォーマンス管理ツールの現状に関しては、企業がデータ・センター統合の可能性をすべて解き放ち、コスト、最適化、セキュリティ、コンプライアンスに関するすべての利点を得ようとしている場合、現状を維持できないことは明確です。従来のパフォーマンス管理ツールは統合環境に合わせて設計されておらず、それに伴うアプリケーション仮想化のようなニュアンスや複雑性に対応できません。企業が必要としているのは、その先駆者の短所を補うだけでなく、人事やレポートに関する問題も含めて、統合による他のすべての課題を緩和できる次世代パフォーマンス管理ソリューションです。次世代ツールは、範囲、視点、タイミングの 3 つの重要な特徴を備えていなければなりません。

範囲

従来のパフォーマンス管理ツールは、機能と視野については、2 つのうちのどちらかに当てはまります。1 つは、ハイレベルでより幅広い取り組みが可能なツールで、データ取得と評価をざっと調べ、上級管理層と共有して全体的なパフォーマンスを追跡するのに使用できるエグゼクティブ・ダッシュボードを提供するものです。もう 1 つは、間口が狭く、奥行きが深いツールで、企業の特定分野に焦点を当て、パケットをキャプチャし、個々のトランザクションを調べ、詳細な分析をリアルタイムで提供するものです。

理想的には、IT チームは総合的なビューを得られる多次元の視点を備えたものが必要です。フロー、トランザクション、SNMP データは全体的な経験を調べるのに役立ち、パケット分析と S2D 機能はトラブルシューティングやコンプライアンスに役立ちます。IT 組織は広範囲かつ奥行きのある分析を必要としますが、バラバラの製品を扱う時間や労力はありません。

視点

従来のパフォーマンス管理ツールには、利用できる情報だけでなく、その提示方法にも限界があります。ネットワークやアプリケーションからの視点は、問題の根本原因を特定して解決するために必要ですが、特に、事業部門所有者がサービスレベルのメトリクスを注意深く監視している統合型データ・センターでは、必ずしも十分ではありません。残念ながら、一般的に従来のツールには代替となる別の視点は備えられておらず、特定、分離、解決の各プロセスの速度と精度を阻害しています。

たとえば、内部のビジネス・ユーザーまたは外部の顧客から許容できないレベルのアプリケーション・レスポンス・タイムの遅延が報告された場合、状況を確認して問題を診断するには、その経験を共有することが理想的です。次世代のパフォーマンス管理ソリューションには、運用および IT スタッフがエンドユーザーの視点を持つことが求められます。これは、前述の拡張された範囲要件によって実現可能となる機能です。

タイミング

完璧な世界のパフォーマンス管理は単純明快です。問題が発生すると速やかに検出され、異常の発生源が明白で、エラーは即座に修正され、再発することはありません。しかし、統合型データ・センターはユートピアではなく、ネットワーク、アプリケーション、およびサービス・パフォーマンスのモニタリングと管理はそれほど単純ではありません。多くの場合、パフォーマンスは時間をかけて徐々に低下し、問題は断続的に現れては消えます。

企業全体のすべてのデータ・ソースからパフォーマンス情報を収集し、エンドユーザーの視点からその情報を提示することで、より高度な異常に適切に対処する態勢は整いますが、これは長期間にわたってすべての情報が解析に使用できる状態にある場合に限られます。従来のパフォーマンス管理ツールでは、必要な情報の一部しか入手していないか、あるいは早々に情報を廃棄しています。


次世代のパフォーマンス管理ソリューションには、有意義な期間、長期にわたり、最も詳細な情報を入手および保存する機能が必要です。そのためには、運用および IT 組織がリアルタイムの解析を実施するとともに、断続的な障害レポートに関連する環境を評価し、その関係を明らかにする作業の中で特定の地点まで遡る必要があります。短期、中期、長期にわたり基準となるパフォーマンス・ベースラインの開発も促進されるので、メトリクスが厳密さを増している一連の劣化しきい値を通過していくことで、逸脱をできる限り早急に特定し、対処できます。

TruView – 真の統合型プラットフォーム

データ・センターの統合化プロジェクトが完了した、真っ最中である、または計画されているというニュースは企業にとって朗報であり、次世代のパフォーマンス管理ソリューションが単なる夢ではないことを意味します。今、そのための最先端の答えが、Netscout の TruView です。TruView は 100% が Web ベースで URL による完全制御が可能であり、コンポーネント、表示、レポートを統合およびカスタマイズして、組織の厳格な要件に対応できるプラットフォームです。


図 2:TruView のアプリケーションパフォーマンス・ダッシュボードを使用することで、マウスをワン・クリックしなくても、パフォーマンスが最低のアプリケーション、サーバー、およびサイトをすばやく確認できます。

統合された TruView サーバーは、統合型プラットフォームの中心です。サーバーは、サービスとデータ・モデルの定義を合理化できる一般的なプラットフォームをホストします。このプラットフォームは、ソリューションの基礎である、解析エンジン、ベースライン、アラーム、通知、および構成の各要素で構成されています。このサーバー・アーキテクチャではソースに関係なく、すべての機能、情報、および表示がシームレスに結び付けられ、問題の特定、分離、解決のために、ドメイン間の対話と迅速なデータ相関関係の構築が推し進められます。

特許取得済みのワークフローである IntelliTrace では、数回のマウス・クリックで問題のドメインの特定と根本的原因の解析を容易に実行できるので、解析とトラブルシューティングが強化されます。TruView には、最も堅牢なデータ収集、解析、プレゼンテーション・エンジンを備えた単一のプラットフォームがあります。


そのプラットフォーム上に、汎用またはカスタムのアクセス、コントロール、および表示からなるレイヤーがあります。TruView のアーキテクチャでは、このレイヤーが、企業全体に及ぶ圧倒的な広さにわたり詳細にパフォーマンス・データを収集および保持する製品コンポーネントとの対話を行います。本来、ソリューションには、ネットワーク・パフォーマンスと使用状況の表示を可能にするネットワーク・フロー・アプライアンス、アプリケーション・パフォーマンス表示の入力データを提供するアプリケーション・パフォーマンス・アプライアンス、ワイド・エリア・ネットワークと VoIP(Voice over Internet Protocol)表示をサポートする ASE(Analysis Service Element)プローブ、最高 10Gbps の回線速度で 100% のパケットをキャプチャーできる S2D ハードウェアの 4 種類のコンポーネントがあります。TruView の Web ベースの設計によって、従来のツールの一部またはすべてをこのアーキテクチャに統合し、これまでの投資を活用することもできます。

インフラ・データのモニタリング

図 3:TruView のリアルタイムおよび履歴レポート


TruView ネットワーク・フロー・アプライアンスには、ルーターおよびスイッチの既存のインフラストラクチャと対話し、IPFIX や Cisco の NetFlow に限らず、フローベースの情報をあらゆる形式で取得する機能があります。これらのフローベースの機能によって、常にすべてのフローからすべての情報を入手でき、ミリ秒単位でリアルタイムのデータを無制限に保持します。このソリューションではデータの平均化や破棄を行わないので、上位の統計結果のみを重視した評価に制限されることがありません。このような評価では、不正ユーザーの検出、マルチキャストの可視性、ピアツーピア解析など、重要な機能をサポートするために必要な精度が提供されない場合があります。

運用および IT スタッフは、アプライアンスのデータ保持および精度の変数を特定のニーズに合わせて調整できます。これにネットワーク・フロー・アプライアンスがもたらす包括的なフロー対象範囲が加わることで、TruView を使用すると、高レベルの概要表示から個別フローの視点まで自由に移動できます。このようにリアルタイムと長期間の両方についてフルフロー・フォレンジック、表示、レポートを利用できるので、運用および IT チームは、パスとセッションの最適化、帯域幅要件の検証、CoS および MPLS ネットワーク・パフォーマンス管理など、統合型データ・センターに関連するシナリオに対処し、計画を立てることができます。

アプリケーション・パフォーマンス管理

図 4:1 分という詳細な情報精度で、アプリケーション、ネットワーク、およびサーバー・コンポーネントに関するエンドユーザー・レスポンス・タイムを表示することで、インフラストラクチャ・チームは、グループ間で責任追及を行うことなく、問題の領域をすばやく特定できます。


TruView のアプリケーション・パフォーマンス・アプライアンスは、ミラー・ポートまたはタップを利用して物理または仮想サーバーと対話することによって、仮想化されたアプリケーションであっても、あらゆるアプリケーションベース・トランザクションに関連するインラインまたはスパン・データにアクセスできます。アプリケーション・パフォーマンス・アプライアンスは、すべての情報をキャプチャー、フィルター(重複または不適切なパケットを破棄)、および保存できる特許取得済みの独自の技術を備えています。概要情報は、高レベルのアプリケーション・パフォーマンス表示をサポートし、60 秒ごとに TruView Manager サーバーに転送されます。要求に応じて、ソリューション・ユーザーが診断アクティビティを開始すると、事前の瞬間または時間区分内に発生したリアルタイムのイベントやトランザクションについてのデータが個々のトランザクションまで徐々に詳細度を増しながら送信されます。

オプションの専用ハードウェア・コレクター

図 5:TruView のネットワーク・パフォーマンスの概要

TruView の ASE(Analysis Service Element)は、必要とされる広範な情報を提供する目的で統合型データ・センターにも、企業のワイド・エリア・ネットワーク全体のリモート・サイトにも配置できるデバイスです。個々の ASE は、物理レイヤーからアプリケーション・レイヤーまで、ネットワーク・モデルのレイヤー 1 ~ 7 に及ぶ詳細な情報をキャプチャーして TruView サーバーへ返すように設計されています。

ASE は、物理レイヤーのエラー検出や、ネットワーク、サーバー、またはアプリケーションの可用性に関係するサービス・レベル・アグリーメントなど、厳格な可視性とパフォーマンス基準が影響を及す状況に最適です。また、運用上、パフォーマンスを犠牲にすることなくコスト削減と帯域幅の最適化を実現するために同一のトランスポートで送受信される音声、データ、および映像のコンバージェンスを最大限に利用しようとする統合型データ・センターなどの環境にも適しています。たとえば、VoIP(Voice over Internet Protocol)展開を成功させるには、従来の回線交換音声からの移行の前後、および移行中のトラフィックの種類とサービス分布について十分に理解し、予測する必要があります。ASE は、VoIP 評価、アクティブまたはパッシブなパフォーマンス・モニタリング、コールごとの品質評価、リアルタイムまたはバックインタイムのトラブルシューティングをサポートする表示とレポートを提供する情報を転送します。


堅牢な Stream-to-Disk

TruView サーバーでは最高 10 Gbps の有線定格速度のパケット収集が行われ、IT チームが重要なイベントの発生を見過ごすことはありません。データが制限されていたり失われていたりすると、断続的に発生する問題の解決は非常に難しくなりがちですが、TruView の S2D では、必要なすべてのデータをすぐに手に入れることができます。回線速度ですべてのデータをキャプチャーすることで、もはや情報の欠落はありません。

TruView の S2D 機能では、データの断片から予測したりそれらを保存したりする代わりに、すべてのフロー、トランザクション、パケットを保存できます。データが制限されることも、取り除かれることもありません。S2D は、問題のトラブルシューティングを迅速に行い、監査およびコンプライアンス要件で必要とされる時間を短縮する上で非常に役立ちます。相関性のある TruView プラットフォームでは、IT チームがリアルタイムの問題をトラブルシューティングする際も、数時間または数日前に発生した断続的な問題の原因を特定しようと試みている場合でも、問題発生時の正しい情報に容易にアクセスできます。

データ・センター統合化成功の実現と判定

データ・センター統合化プロジェクトが成功したかどうかは、個々の利害関係者が短期間の主観的または定性的な評価に基づいて判断できるものではありません。企業が、事業部門所有者、IT および運用スタッフ、企業管理、顧客など、あらゆる層への影響を考慮した、長期にわたって算出される定量的な統計やメトリクスに基づいて判断する必要があります。

データ・センター統合化に向けた取り組みを完了した、または積極的に実施していた米国企業 147 社に対する Forrester Research の調査で、これらの企業が統合の成功を評価するために利用した上位 5 つのメトリクスを尋ねる質問がありました。上位 5 つに挙げられたもののうち、調査対象の 52% が「運用コスト」と回答し、44% が「総所有コスト」と僅差で続き、「IT 予算の削減」が 38%、「インフラストラクチャ・コストに対するアプリケーション・パフォーマンス」が 35%、「CPU コアごとのパフォーマンス」が 34% でした。3

パフォーマンス管理ツールを導入すれば、これらの統計収集がサポートされるだけでなく、その利用価値に直接影響を与えます。適切なパフォーマンス管理ソリューションを利用すると、小、中、大規模企業は、データ・センターの統合化がもたらすコスト、最適化、セキュリティ、およびコンプライアンスの各利点を十分に実感できます。同時にこのようなソリューションは、人事、レポート作成、ツールに関連する問題など、多くの場合に統合化に伴って発生する課題から企業を守ります。

従来のパフォーマンス管理ツールには統合化環境で提供するために必要な範囲、視点、およびタイミングが欠けているため、タスクを遂行できません。データ・センターの統合化に依存しすぎて、パフォーマンス管理機能を無視したり、ネットワーク、アプリケーション、およびサービス・パフォーマンスのすべての要件を総合的に説明できない不十分で異質なツール・セットにパフォーマンス管理を委ねたりすることはできません。企業には、現在と将来の成功を見据えて統合化プロジェクトを推進するアーテキテクチャ、範囲の広さ、詳細さ、スケーラビリティ、機能、および共通のデータ・モデルを備えた次世代のパフォーマンス管理ソリューションが必要です。たった 1 つの製品が次世代のパフォーマンス管理に必須の要素を提供します。Netscout の TruView です。

1 「コスト解析と評価が統合化の成功をもたらす」Forrester Research、2009 年 1 月

2「コスト解析と評価が統合化の成功をもたらす」Forrester Research、2009 年 1 月

3「コスト解析と評価が統合化の成功をもたらす」Forrester Research、2009 年 1 月

 
 
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