ホワイトペーパー:ユーザー体験の管理|NetScout

ホワイトペーパー:お客様を第一に。ユーザー体験の管理

「今日のお客様は、高速かつ安定したネットワークを求めており、サービスが期待に沿わなければ、すぐに不満を表します。企業は、高まり続けるお客様の高い基準を満たすために、ユーザー体験に目を向ける必要があります」と、Jennifer Scott 氏は述べています。

目次

  • はじめに
  • ユーザーの期待
  • 重要なスキル
  • ネットワークの進化

はじめに

ネットワークの概念について世間に全く知られていない時代は、とうの昔に過ぎ去りました。スマートフォンで動画を見たり、自宅のブロードバンド回線で Netflix にログインしたり、あるいは固定電話で電話をかけたりする時、何か問題が発生すると、ユーザーはすぐにテクノロジーのせいにします。ユーザーは、迅速な安定したサービスを瞬時に欲しいのです。これは、ビジネスの世界にも反映されています。

職場では、ユーザーは常に電源が入っていて、オンラインの状態にあることを求めます。海外出張中は、VoIP 電話をかけたり、空港でメールをチェックできなければなりません。そのため、信頼のできるネットワークが必要とされます。何か問題が起きれば、視線は IT 部門に向かうのです。

これはつまり、グローバルな携帯電話会社から小さな会社まで、ネットワークを運用する企業は、お客様と社員を満足させるためによりユーザー中心のアプローチを取らなければならないことを意味します。

しかし、アプローチを変えることは企業にとってどのような意味があるのでしょうか?また、エンドユーザーに焦点を合わせることが、最善の運用方法なのでしょうか?

Analysys Mason のシニア・アナリスト、Anil Rao 氏はこの問題を研究しています。同氏は、ここ 20 年にわたって、見違えるほどの大きな変化があり、企業にとって最も大きな影響は、大手通信事業者がネットワークに採用したモデルにあると述べます。

「エンドユーザーは、常にいつでもサービスに関心はありました。しかし、ネットワークを構成するパイプ、誰がどの機器を使用しているか、誰がそれを運用しているかなど気にしていません。一方で、ネットワークを運用する大企業は独占状態にあったため、これまでお客様のことなんか気にする必要がありませんでした。大企業は、やりたいようにやっていたのです。好きなだけネットワークに焦点を合わせ、自社の独自テクノロジーで戯れることができたのです。

これは会社全体にわたって言えることでした。ネットワーク・エンジニアには、專門知識があり、データセンターの外部で起きていることを考えることなく、使用するテクノロジーばかりに目を向けていました。「しかし、状況がかわったのです。多くの市場が自由化され、たくさんの競合企業が参入してきたのです」と、Rao 氏は言います。

「スマートフォーンを使えば、ユーザーはいつでもアクセスできるようになりました。ユーザーは、常に電源がオンの状態で、ボタン一つで世界で起きていることを知りたいのです。」

Anil Rao 氏、Analysys Mason

企業が選べるベンダーは、従来の大手ベンダーだけではなくなりました。世界が広がり、より多くのシステムから選べるようになったのです。これは、影響力のある 1 社がすべてをコントロールするのではなく、多様なネットワークにわたってサプライヤー同士の強力な連携が必要になることも意味します。

ユーザーの期待

Quocirca シニア・アナリストの Bob Tarzey 氏は、次のように述べます。「課題は、1 つのネットワークが 1 つのサービス・レベル合意書を履行することではなく、所々のネットワーク・リソースが求められるユーザー体験を確実に届けられるようにすることです。」

「この課題を複雑化させているのは、多くのアプリケーションが、外部ユーザーによって直接アクセスされるようになったことです。使われるネットワーク接続を直接管理できないため、パフォーマンスが良くないネットワーク接続向けに、可能な限りアプリケーションの配信を最適化しなければなりません。」

そのため、CIO は思考を変え、ネットワーク技術に内向きに見るのではなく、お客様の体験について考える必要がでてきました。お客様はもはや、パフォーマンスの悪いネットワークに対して盲目ではなくなり、自宅でも職場でも、テクノロジー・プロバイダーからより多くを期待するようになりました。

Rao 氏は、次のように続けます。「ユーザーのサービスに対する期待は、かつてないほど高まっています。それには、2 つ大きな理由があります。」「1 つめは、スマートフォーンの普及です。特に先進国においてですが、インドや中国などの新興市場でも安価なアンドロイド・フォンが溢れています。」

「これに加えて、オーバー・ザ・トップ(OTT)プロバイダーが登場しています。Facebook、Google、WhatsApp など、公衆インターネット上でメッセージング・サービスを提供するサービス・プロバイダーです。」

無料ですぐに使えるサービスに依存する技術慣れしたユーザーは、職場の電話やメッセージング・システムを使う時も、同じ水準のパフォーマンスを求めます。

「スマートフォーンを使えば、ユーザーはいつでもアクセスできるようになりました」と、Rao 氏は言います。「ユーザーは、常に電源がオンの状態で、ボタン一つで世界で起きていることを知りたいのです。これは、15 年前であればそれほど重要なことではありませんでしたが、情勢の変化により、企業は多大なプレッシャーを受けるようになりました。」

したがって、ネットワーク・マネージャーはプロアクティブになる必要があります。競合他社との差別化を図るためには、ネットワークの可用性、パフォーマンス、サービス品質に目を向けなければなりません。

しかし、データセンター内のパフォーマンス・ハードウェアからユーザーに提供されるサービスに焦点を移すには、企業文化の大きな変化と思考の転換が必要になります。

これがすでに実現されている例もあります。一部の企業は、データセンターに常駐し、テクノロジーばかりに集中するネットワーク・マネージャーを、ユーザーに焦点を合わせるように再教育しています。

「エンドツーエンドの視点でネットワーク、そしてユーザーの行動について、より理解できるように努めているのです。これは、ネットワークが、例えばビデオなどにどのくらい使われているのか、またこれに使うアプリに対するユーザーの体験を把握しなければならないことを意味します。最終的には、ユーザー体験に焦点を合わせることが目標です。」

「ユーザーの要求に沿わないネットワーキングに対する純粋に技術的なアプローチでは、もはや持ちこたえることはできません」

Bob Tarzey 氏、Quocirca

これは、何年にもわたってテクノロジー重視のやり方で仕事をしてきて、全く新たしいアプローチを学ばなければならないネットワーク・エンジニアにとって、当然問題を引き起こすことになります。

重要なスキル

「組織は、仮想化および統合されたネットワークを管理できるように、エンジニアを再教育する必要があります」と、Tarzey 氏は述べます。「残念ながら、企業はそのような能力を持ち、変化についていける人材を見つけるのに苦労しています。大多数の企業は、ある程度アウトソーシングしており、ネットワークの資格を重要視しています。」

Rao 氏は続けて、次のように述べます。「そのような企業で働く社員は、能力の高いネットワーク技術者であり、欠かせない人材ではあるものの、それで戦いに勝てるわけではありません。次の競争力の戦いは、サービス体験です。」

「課題は、企業文化を変え、ネットワーク、文化、そして行動から焦点を移して、違う考えた方をするようにすることです。これは確かに困難ではありますが、外部から特定の人材を採用し、それを既存社員が腕を磨いたり、よりテクノロジーを重視した役割に移行させるための動機付けにすることで躍進している企業もあります。

ユーザー中心のネットワークが、今後も唯一のやり方になるのでしょうか?

Tarzey 氏は、次のように答えます。「弊社のどの調査も、ユーザーは神様であることを示しています。これは、ますます消費者と直接的に関わる組織では、特に顕著になります。ユーザーの要求に沿わないネットワーキングに対する純粋に技術的なアプローチでは、もはや持ちこたえることはできません。」

大きなテクノロジーの変化が訪れる中、どの企業もユーザーに焦点を合わせた自社のエンジニアが、確実に自身のスキルを最新にものし、サプライヤーが管理プロセスをより簡単にするようにしなければなりません。

「今後 5 年から 10 年の間に過去 30 年で最も大きな変化がネットワーキングで起きます。それは、ネットワークの仮想化です。」

Anil Rao 氏、Analysys Mason

ネットワークの進化

「今後 5 年から 10 年の間に過去 30 年で最も大きな変化がネットワーキングで起きます。それは、ネットワークの仮想化です」と、Rao 氏は言います。「クラウドの登場、Amazon サービスの台頭により、ネットワークの仮想化は旋風を巻き起こしています。コンピューティングやストレージが仮想化されているように、ネットワークも同じような進化を遂げています。」

「ネットワーク・マネージャーは、この必然的な変化に耐えられるように、テクノロジーにより焦点を合わせながらも、お客様への焦点を失ってはなりません。

エンドユーザーにとっては、どうでもいいことです。私たちが関心があるのは、動画をストリーミングできるか、メールを送信したり電話をかけられるかです。モバイル、無線、有線の高速化により、求める水準も高まっています。」

「これら速度が速くなるにつれ、当然ユーザーの期待も高まります。したがって、ネットワーク・マネージャーの視点からすれば、テクノロジーの変化により多くのプレッシャーを受けることになりますが、ユーザーから同情を受けたり、寛大に扱ってもらうことはありません」。

しかしその一方で、ネットワークをサービスとして提供する多国籍な通信事業者であろうが、社員のことを思う企業であろうが、学ぶべき教訓があります。

iPad を持つ最高責任者から磁気カードを持つ清掃員まで、組織の全員がネットワークの一部であり、ネットワークを円滑に動作させければなりません。それ未満であれば、貴重な社員はより先進的な考えを持ち、社員の体験を重視する企業に転職することになるでしょう。

 
 
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